塩谷町教育委員会は、学校設置基本計画策定と基本設計を前倒しする。基本計画は年明けに業務委託者の選定を行い2025年度に策定。基本設計は25年度中に着手する考え。船生小、玉生小、大宮小学校、塩谷中学校を29年3月に閉校し翌4月に小中学校が一体となった一つの学校創設を目指しており、基本計画策定や基本設計を急ぐ必要があると判断。12月補正予算に基本計画策定の業務委託料として限度額1000万円の債務負担行為を設定した。
町は少子化が進行し、学校規模の確保が重要課題だったことから教委が22年10月に有識者らで構成する学校規模適正化検討委員会を設置。11回の委員会開催、答申を経て5月に学校設置基本構想を決定。
ロードマップで25年度に基本計画を策定し、26年度に基本・実施設計、27~28年度に約1年半をかけて改修工事を実施するとしていた。
答申では小中学校の規模について義務教育の連続性のある教育が推進できる環境として、小中の一貫した教育活動を行える義務教育学校が望ましいと提言。
小中学校の配置については既存の学校施設や周辺環境の活用、将来ほかの教育関連施設の配置を視野に、十分な敷地面積と施設規模を有した最適な場所を既存施設の築年数なども考慮して選定するよう求めた。
基本計画では義務教育学校、小中一貫校といった学校形態、既存施設の活用を念頭に置いた設置場所などが検討される見込み。業務委託に向け仕様を検討中。委託者の選考方法は今後決定していく。
基本構想では教育理念を「地域に根差した学校」「未来を創る人材の育成」に掲げ、児童生徒と教職員が居心地の良い施設環境、地域住民との交流がこれまで以上に広がる空間を整備。義務教育の9年間が一体的、系統的にその特性が十分発揮される施設整備と改修を図るとしている。
施設整備方針では「児童生徒の主体的な活動が発揮できる」「教職員等が働きやすい」「児童生徒、地域住民の安全安心が確保できる」「児童生徒、地域住民が交流できる」「次世代の情報学習(ICT)環境を活用できる」「学校施設の機能向上と他の教育関連施設との一体性」「多様な人材の育成が行える」を挙げた。
町内の小学校は3校すべて建築から約30年、塩谷中は約20年が経過する。町内の児童生徒数(24年度)は小学校が319人、中学校が198人。29年度は小学校が230人、中学校が163人と推計。少子化が加速するなか迅速な対応が求められている。