国土交通省は、建設資産・管理システムにおけるデータマネジメントの取り組み方針案を示した。その中で、ISO19650に準拠した形で「プロジェクトCDE」の導入を掲げた。独自の整備を想定し2025年度は検討体制の整備として協議会の設置や、モデル事務所で既存サービスでの試行、プロジェクトCDEの仕様検討などに取り掛かる。26年度には設計・試行段階へ移り、27年度は大規模事業など適した案件を対象に随時導入につなげる考え。
現状の業務フローの分析から5つの課題が浮かび上がった。電子納品・保管管理システムに最新データが保管されない。整備局ファイルサーバーと電納システムにデータが散在。受発注者間の情報共有システムは受注者が用意するもので、契約終了で保存した共有データの多くが失われる。事業全体の平面図・横断図等を一元的に整理・更新ができていない。過去のどの業務/工事で図面を修正したかの把握で多大な時間が必要というもの。
これらの対応へ、プロジェクト単位で継続的・一元的に必要なデータを保存・共有し、事業そのものを表現するデータ(設計図など)を随時最新データへ更新し保管・共有する仕組みとしてプロジェクト単位のCDE、つまりプロジェクトCDEを掲げた。加工可能なデータのステータスや更新履歴も管理できるため、常に最新データを保管することになる。
メリットは▽データの収集、加工、廃棄などのデータ作業の省人化▽データ活用による事業監理の高度化▽データ活用による意思決定の迅速化―が挙がる。
データマネジメントでは、電納システムに加えてプロジェクトCDEの整備を掲げる。電納システムは業務・工事の受注者が作成した成果物を工事・業務単位でアーカイブするもの。業務契約単位で調査設計データと業務報告書。工事契約単位で工事書類と工事完成図書を保管。発注者が作成したデータは含まない。