新潟県地質調査業協会は12日、新潟市西蒲区の中之口東小学校で防災をテーマにした出前授業を行った。6年生約20人が実験キットを用いて、液状化現象を体験。地震によって建築物や配管の浮き沈みが発生する仕組みを学んだ。
児童はスタッフの指導の下、実験キット「エッキー君」を作成した。これは500㎜ペットボトルに3分の1ほど細かい砂を入れ、残りを水で満たした後、直径2㎝のピンを4つ入れた物。砂は水でよく洗う必要があり、児童は楽しげにペットボトルを振っていた。完成したエッキーは逆さまにして紙コップに乗せるが、ピンは砂に埋もれてしまう。この状態でエッキーを軽く叩くと、ピンが砂の上へ浮き上がってきた。予想外の挙動に、全員が驚いた様子を見せていた。
実験を終えたところで、スタッフが現象の仕組みを説明。エッキーは水分を含んだ地盤を再現したもので、叩いた衝撃は地震に相当する。エッキーの中では衝撃で液状化現象が起き、軽いピンは浮力を受け地表に出てきた。
児童は、現実ではこれが地下水や配管で起きると知り、納得したように頷いていた。
動画を用いた授業では、地震と液状化の被害を抑えるために、ボーリング調査や基礎工事が重要であると説明。地震が及ぼす影響についてのクイズも出題し、児童は元気に手を挙げていた。
授業の最後にはクラスの代表が「今日の授業で地質についていろいろ学べた。地盤が緩むと水が溢れたりすることが分かった」と感想を述べ、スタッフたちに感謝の意を伝えた。
【写真=実験キットを作る児童】