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【盆暮れ通達】おそれ情報など/改正建設業法等を念頭に

2024/12/17 本社配信


 国土交通省は13日付で、建設業121団体、公共発注者、民間発注者団体に対して下請契約や下請代金支払の適正化、施工管理の徹底などを求める通知を出した。一般的に盆暮れ通達と称され、例年、資金需要の増大が予想される夏と冬に要請している。今回は、改正建設業法等の施行に合わせて発出しており、請負代金や工期に関するおそれ情報の部分が加わっている。また1年6カ月以内に施行する部分も事前に情報を盛り込んでいる。

 メインとなるのは請負契約の変更協議の円滑化等に関する部分。契約締結に当たっては、価格等の変動・変更により変更する場合の請負代金額の算定方法に関する定めを契約書面に記載する。おそれ情報は、受注者から注文者に対して請負契約締結前までに通知すること、事象発生後に変更協議を申し出た場合は通知の有無に関わらず注文者は誠実に応じることとしている。

 適切な下請代金の支払いに関しては特に、11月から適用されている60日を超える手形が「割引困難な手形」に違反するおそれがあるものとして、指導対象になったことへの留意を伝えている。

 技能労働者への適切な賃金支払いへ、CCUSによる能力評価が進んでおり、その地位や技能を反映したレベル別年収の活用など取り組みの普及へ、技能労働者が能力評価を受けられるよう促している。

 請負契約の締結については、1年6カ月後の施行となる部分も明記した。著しく低い請負代金での契約、著しく短い工期での契約締結について、受発注者ともに禁止が適用されることに留意することとした。

 発注者向けの通知には、設計や施工管理等の発注者を支援する事業者に対しても、取引事業者の一員として、通達の主旨と内容を理解し適切な取り組みの徹底について周知することを求めている。

 通達の項目は▽下請負人が建設工事の注文者に交付する見積書▽原材料費等の高騰を踏まえた適正な請負代金の設定と適正な工期の確保▽社会保険加入の徹底と一人親方との取引等の適正化▽適正な労務費、法定福利費および安全衛生経費等の確保▽建設工事の請負契約の締結▽働き方改革に向けた適正な工期設定や週休2日の推進等▽施工管理の徹底▽検査および引渡し▽適切な下請代金の支払▽下請負人への配慮等▽技能労働者への適切な賃金の支払い▽インボイス制度開始後の免税事業者との適正な取引▽国土交通相等への通報を理由とする不利益取扱いの禁止▽建設工事関係者への配慮―の14項目。

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