県宇都宮土木事務所は、宇都宮市駒生町の主要地方道宇都宮今市線城山東工区900mの道路と橋梁詳細設計をまとめた。道路は現道の両側に均等に拡幅し全幅15mを確保。歩道は両側2・5mを配置する。市道1314号線(明保通り)と637号線(瓦作街道)の交差点を改善し右折レーンを設置するほか、バス停4カ所はバスベイを整備する。準用河川鎧川の鎧川橋は改修断面に併せ架け替え、橋長19・2mの単純プレテンション方式PC床版橋に決めた。2025年度から交付金を充当。今年度の公図調査を踏まえ25年度にも用地調査を実施し用地補償に備える。
宇都宮今市線と合流する明保通りは、大谷石材を鉄道輸送し東京方面に出荷するため東武鉄道が1897年に大谷軌道線、1915年に大谷軽便線を開業。日光線鶴田駅や東武宇都宮線西川田駅まで線路が伸びていた。
県は整備に先立ち21年度に公図公簿調査、今年度は公図調査を実施。東武鉄道所有地をはじめ地権者を特定。25年度の用地調査・補償に備える。
城山東工区は東側の駒生町Ⅰ工区450mと西側の大谷南工区740mを結ぶ中抜け区間。城山東小学校の通学路に指定され、大谷南工区と同じ幅員を15mに拡幅。幅員構成は車道3・25m×2車線の両側に自転車専用通行帯1・75m。歩道は両側に2・5m計画した。
右折レーンを設置する明保通りとの交差点は東進の滞留長55m、テーパ長30mを確保。瓦作街道との西進が10m、テーパ長30m。東進は本線シフト長40mを確保する。
準用河川鎧川を渡河する鎧川橋は2交差点間の中央部に位置。現橋が橋長5・5mのRC床版橋。架設は1954年で老朽化している。
市施行の鎧川の改修事業は宇都宮今市線整備に先行する計画。鎧川渡河地点の計画高水流量は毎秒81立方m。市は12月補正予算案に明保通りの鎧川架設工事費を追加。県は鎧川橋架け替えで迂回路は設けず、南側に並行する明保通りに車両を誘導する予定。
鎧川新橋の支間長は18・5m。幅員は付加車線分を含め車道13m、歩道が両側に2・5m。斜角78度の斜橋。下部工は場所打ち杭(φ1000、6本、深度8・5m)の逆T式橋台2基。
900m区間には明保通りが南側から斜めに合流。鎧川橋北側で城山東小学校入口交差点(瓦作街道)を形成するなど、小規模な交差点が連続する。
鎧川橋付近で宇都宮今市線と明保通りを結ぶ市道637号線は自転車歩行者専用道路として残す。瓦作街道は宇都宮今市線とT字型交差点に改善。北側に歩道を新設する。
バス停はJA城山支所と城山地区市民センターの2カ所、上下線の計4カ所にバスベイを設置。1日約70台のバスが往復するため、通行車両の円滑化と乗降客の安全を確保する。
城山東工区は21年度に公図公簿調査を行い、22年度には平面図化と路線測量を実施した。23年度は道路詳細設計を進め、24年度は公図調査を実施している。
公図公簿調査と路線測量、道路詳細設計を東亜サーベイ、橋梁詳細設計は富貴沢建設コンサルタンツ、今年度の公図調査は県公共嘱託登記土地家屋調査士協会が担当。
現道は家屋が連たんする車道のみで歩道のない幅員6~7m程度の狭あい区間。沿道には城山東小学校が立地し、同県道を利用して通う児童らも多い。小学校入口交差点は視認性が悪く、安全確保が課題視されてきた。