県建設部は21日、首都圏で学ぶ学生等を対象とした合同企業説明会「信州建設フェア」を東京都千代田区の東京交通会館で開催した。建設産業人材を確保するための新たな試みで、公募・抽選で決定した建設・調査設計企業12社が出展し自社の魅力をPRしたほか、中央工学校の松田正之校長、県建設業協会の依田幸光副会長、建設コンサルタンツ協会長野地域委員会の坪井利幸委員長、県技術管理室長の折井克壽室長の4人をパネラーにパネルディスカッションも行われた。
会場には就職を間近に控えた都内の大学生・専門学生など約30人が来場。各企業のブースのほか、重機操作・ICT技術などの体験コーナーも用意し、県内の建設・調査設計企業の魅力を知ってもらうとともに、最新の建設産業の動向、建設産業が地域で果たす役割りなどを紹介した。
参加した学生は「長野県の企業が一堂に会していたので、長野に出向かずとも、いろいろな企業の特徴を聞くことができ、将来のイメージが高まった」と感想。また、同伴の保護者は「建設産業は現場だけではなく調査や設計など、さまざまな職種があることを知りました」と話していた。
パネルディスカッションでは「企業に求められる人材」をテーマに討論。学生からは「難しいことを考えるのではなく、人と人とのつながり、コミュニケーションを学生のうちにしっかりできるようにすることが一番大切なのだと思う」「長野県の企業は、しっかり自分のことを見てくれようとしていると感じた」「学校側が社会にでてしっかり働けるように、僕たちのことを育ててくれようとしていることが分かった」、また企業からは「学校と企業がもっと情報交換を行うことが、学生の成長のためになると感じた」との意見が出た。
このほか東京工業大学発のベンチャー企業・レフィクシアの高安基大代表取締役が講演。iphoneをRTK対応の万能測量機に変える「LRTK」の開発を通して、在学中に自身の社会価値を高めることについて語った。
技術管理室の大田幸太郎副主任専門指導員は「初めての開催だったが、来場者には県内企業のことをしっかり理解してもらえ、将来のイメージがクリアになったのではないかと思う。人材確保に特効薬はないので、継続して取り組み、認知度を上げて、がんばっている県内建設産業の魅力を県外の方にも伝えていきたい」と話した。
ブースを出展した12社は次の通り。(順不同)
◆みすず綜合コンサルタント◆アンドー◆木下建工◆長野技研◆協栄電気興業◆サンタキザワ◆ヤマウラ◆スワテック建設◆伊藤建築設計事務所◆土木管理総合試験所◆北陽建設◆フクザワコーポレーション