記事

事業者
国土交通省

【事業評価】25年度から新便益も/新規採択時など変更加え

2024/12/24 本社配信


 国土交通省は、道路事業の事業評価について2025年度採択段階から、新たな考え方を導入する。これまで3便益のB/Cで評価してきたが、上位計画など政策目標に対する貢献なども含めた多様な効果を考慮して、総合的な評価結果を踏まえて事業化や事業継続の意思決定をする形にしていく。21年度新規事業は、時間信頼性便益とCO2排出削減便益を加えたB/Cを参考値として示すこととした。また、事業費増加のリスクを考慮した事業費算出も高規格道路を対象に運用開始する。

 事業評価については、総合的な評価や多様な効果の評価、一体評価について検討が進められてきた。

 多様な評価に関しては、評価精度の継続検証等が必要な便益であっても、計測手法がおおむね確立している便益は、参考のB/Cとして示す。25年度新規事業では、時間信頼性便益とCO2排出削減便益を加えたB/C(参考値)を示す。

 その他の多様な効果も、便益計測手法の開発・検討を行い、順次適用していくことを想定している。

 複数の区間をまとめて評価する一体評価の区間設定は、高規格道路、大規模バイパス等の起終点間を基本としている。だが、起終点によらない区間設定を行う場合の考え方について、より明確に示していく。起終点間で設定した場合に、ネットワークの連続性が確保できなくなる場合や、起終点間のうち、JCTなど他の結節点を境界として、交通特性が異なる場合は、評価対象の特性に応じた区間とすることができる。効果把握に要するコストにも留意することとした。

 これらの見直しを受けて道路事業・街路事業に係る総合評価要綱のうち、社会全体への影響部分について記載内容を充実。費用便益分析マニュアルも改定する。

 当初事業費算定の精度向上へ、過去の事業費増をふまえたチェックリストを更新し、今後の事例の蓄積等から更新を図る。事業化前の事前調査を充実し、リスクを洗い出し対応状況を明示。想定リスクに対し、全国の増額事例分析を参考に、リスクを考慮した費用を計上する。当面、事業費変動が大きい高規格道路を対象に、25年度新規採択時評価から運用する。

 事業費管理については、事業費を確認できる節目で事業費の精査を実施。着工前重点準備の実施は、当初事業費算定時のリスクを回避または軽減できるよう、現地調査や関係者調整を着工前に重点的に実施し事業の適切な執行管理やコストマネジメントに取り組む。大幅な事業費増が見込まれる場合は、事業計画等の変更を検討する。

紙媒体での情報収集をご希望の方は
建設新聞を御覧ください。

建設新聞はこちら