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国土交通省

【技術基準】25年度後半適用へ/道路土工構造物で/能登半島地震踏まえ改定

2024/12/25 本社配信


 国土交通省は、令和6年能登半島地震を踏まえた技術基準等の対応として「道路土工構造物技術基準」の改定案を示した。関係機関への照会などを行い、2025年3月中旬に開催する道路技術小委員会で改定案を審議。関連図書の整備と合わせて25年度後半に適用予定とした。

 道路土工構造物技術基準の改定は、能越自動車道で沢埋め高盛土を中心に多くの盛土で被害が発生。国道249号沿岸部では大規模な斜面崩壊・地すべり等により道路の交通機能の途絶が多発したことを背景に検討を進め対応方針を固めた。

 計画時の配慮事項を明確化する。道路土工構造物の計画で道路機能確保への配慮事項(周辺地形、地質、地域の防災計画、連続または隣接する構造物等の計画との整合性等)を考慮した道路土工構造物の配置の検討および構造形式の選定を規定する。例えば、集水地形、う回路の確保、路肩幅の確保等を考慮した道路土工構造物の配置の検討と構造形式の選定といった内容。

 想定する範囲内で最も不利となる荷重の条件を考慮する。地形、水理、過去の災害履歴等から、荷重の組合せは、想定する範囲内で同時に起こる可能性が高い荷重の組合せで、最も不利な条件を考慮して設定する。また、荷重は、想定する範囲内で最も不利な条件を考慮して作用させることを規定する。

 必要に応じた排水施設の設置を規定する。これは、排水対策が強化された箇所では被害が軽微にとどまった事例があったための対応。必要に応じ、雨水や湧水等を速やかに排除する構造となるよう、表面排水施設、地下排水施設の設置を規定する。谷埋め高盛土等の基礎地盤での基盤排水施設、のり尻排水施設、砕石置換等が該当する。

 事業の初期段階で複雑な地盤の性状を把握することが困難な道路土工では、構造物の適切な計画、設計、施工、維持管理を行うために、事業の各段階で地質・地盤等の不確実性低減に向け必要な調査の実施を規定する。

 道路機能確保の観点からの要求性能に応じた限界状態を、構造物ごと、構造物の組み合わせに応じてきめ細かく設定する。原則、想定する作用によって生じる道路土工構造物の状態が限界状態を超えないことを照査する。

 崩壊等の致命的状態を極力回避するため、設計で具体的に考慮されていない不測の外力に対する配慮(フェールセーフを含む)について検討を行うことを規定する。

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