政府が27日に閣議決定した、2025年度当初予算案における国土交通省予算は、国費総額が一般会計で5兆9527億6200万円(前年度比約9億円減)、うち公共事業関係費は5兆2752億8000万円(同約148億円減)で微減となった。非公共事業費は6775億円で前年度対比1・02倍。公共事業関係費の内訳は、一般公共事業費が5兆2336億3800万円で前年度比で14億9400万円増額。災害復旧等は減少し416億円。財政投融資には1兆3292億円を配分する。
公共工事の施工時期の平準化等を図るため、国庫債務負担行為として2カ年以上の国債で7843億6200万円を設定するほか、ゼロ国債で1697億1500万円を確保。さらに、防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策に基づく事業等の計画的かつ円滑な事業執行へ、事業加速円滑化国債に1962億5300万円を設定する。ゼロ国以外は前年度を上回った。なお、公共事業費が前年度並になったことで、物価上昇や労務単価上昇分はカバーできない状況だ。
25年度予算は▽国民の安全・安心の確保▽持続的な経済成長の実現▽個性をいかした地域づくりと分散型国づくり―の3本柱で、24年度補正予算と合わせて切れ目なく取り組みを進め、施策効果を早期発現させる。5か年加速化対策の着実な推進と、能登半島地震等の経験を踏まえ実施中期計画の策定への検討を最大限加速化し早急に策定する。
社会資本整備は未来への投資とし、既存施設の計画的な維持管理・更新・利活用を図りながら、波及効果の大きなプロジェクト等を戦略的かつ計画的に展開することが不可欠。中長期的な見通しの下、必要かつ十分な公共事業予算の安定的・持続的な確保を図る。その際には資材価格の高騰等を踏まえて、必要な事業量を確保する。また、公共事業の効率的かつ円滑な実施、順調な執行へ、第3次担い手3法等も踏まえ、施工時期等の平準化や適正価格・工期での契約、国庫債務負担行為の積極的な活用、地域企業の活用に配慮した適正規模での発注等を進める。さらに新技術導入やi-Construction2・0の推進、建設資材価格変動への対応、賃上げ等処遇改善、働き方改革、外国人技能労働者の受入・育成等に取り組む。
主な事業費は▽流域治水の加速化・強化=6360億円▽盛土の安全確保対策=8470億円▽持続可能なインフラメンテナンスの実現=7889億円▽防災・安全交付金=8470億円▽通学路等の交通安全対策=2501億円▽効率的な物流ネットワークの早期整備・活用=3676億円▽社会資本整備総合交付金=4874億円▽住宅・建築物の脱炭素化対策の強化=941億円▽インフラ・まちづくり分野における脱炭素化の推進=149億円▽インフラ分野のDXアクションプラン推進=79億円▽担い手の確保・育成や生産性向上による持続可能な建設業の実現=5億円▽PPP/PFIの推進=53億円▽地域・拠点の連携を促す道路ネットワーク整備=3732億円▽港湾整備=1331億円―などを計上した。
なお、新しい地方創生交付金は全体2000億円のうち598億円は、国交省などの公共事業も対象になっている。