県河川課は、12月補正予算に70億9200万円を追加し、6事業31工区(浸水想定区域図GIS掲載含む)を推進する。重点配分は2025年度完了を見込む改良復旧の永野川(栃木市)が17億6000万円。安全な川づくり事業費(防災・安全交付金)には重点の田川(宇都宮市)を含め16河川23工区に41億4300万円。田川は本川の河道掘削に加え川田調節池の掘削と越流堤を発注。24年度新規の菊沢川(佐野市船津川町)は河道詳細設計に着手するほか、河道拡幅に伴い国道50号渡河部の函渠工詳細設計を発注する。(3面に事業別箇所付け)
国庫補助は河川激甚災害対策特別緊急事業巴波川(栃木市)の地下トンネル流入施設の債務返済分に2億5000万円。
大規模特定河川事業は4河川4工区に8億9500万円。このうち地下トンネルの下流9・2㎞区間の巴波川は2億7000万円。流下断面が不足する箇所の掘削、築堤、護岸を整備し樋門を改築する。名草川には1億3000万円。袋川との合流上流部右岸の用地補償・物件調査を進め、掘削や護岸工事を発注する。
河川メンテナンスは4400万円。江川放水路(宇都宮市)の分流堰操作装置を更新するほか、杣井木川排水機場(小山市)では水位計とポンプ設備を更新する。
安全な川づくり事業費(防災・安全交付金重点)の田川の川田調節池は、用地補償の関係から26年度概成が困難と判断。容量33万6000立方mを確保するため掘削深度など施工計画を見直した。越流堤を含む周囲堤と掘削工を発注する。本川は約600mの河道掘削工事を3件程度に分け発注、概成を見込む。
安全な川づくり事業は、16河川22工区を推進。危機管理水位計の更新は、県内112カ所のうち市街地を中心に20基程度を実施。推奨更新期間は5年で、耐用年数を見据え更新箇所を特定する。
武名瀬川(上三川町)は7号橋付近の掘削や護岸工を発注。武子川(鹿沼市仁神堂)は檜堰の詳細設計、小薮川(同楡木)は黒岩堰改築に伴い前後の掘削と護岸工を発注する。
田川(日光市土沢)は市道橋宮本橋改築と前後の掘削工事。五行川(真岡市)は高畦橋上流側の掘削と護岸工を実施する。思川(栃木市)の惣社国分寺と壬生都賀は、築堤や護岸工の計画を見直すため測量や設計を実施する。
江川(さくら市喜連川)は金枝中橋の架け替えに向け詳細設計。荒川(那須烏山市三箇)は用地調査を進めるとともに、樋管を改築するため詳細設計とボーリング調査を発注する。
菊沢川は直轄境から上流3・3㎞が事業区間。50号渡河部は予備設計で函渠工の採用を決めた。国土交通省宇都宮国道事務所と調整し詳細設計で諸元を固める。
改良復旧の永野川は仮設道路など工事に着手できていない箇所の掘削や護岸。千部橋床版工と旧橋・迂回路の撤去工を実施。JR両毛線の架け替えを目指す永野川は用地測量費を予算化した。