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知事「優先して取り組む」/終処の早期整備を要望/江戸川左岸流域関連8市

2025/01/10 日刊建設タイムズ

 江戸川左岸流域関連8市は9日、県庁本庁舎5階特別会議室を訪れ、江戸川第一終末処理場の早期整備に関する要望書を熊谷俊人知事に提出した。本郷谷健次・松戸市長は「8市において都市化が進行しているにも関わらず、江戸川第一終末処理場の整備は計画の7割ほどしか進んでいない」と指摘し、下水道未普及対策事業などの推進に密接に関係する終末処理場の早期整備を求めた。熊谷知事は「いただいた要望は県にとっても重要であり、優先して取り組む事項と考えている。皆さんと協力しながら全力で進めていきたい」と述べ、さらなる後押しを求めた。

 県は、人口が集中している県北西部のうち、未普及人口の多い市川市や松戸市など江戸川左岸流域関連市における公共下水道の早期整備を図るとともに、区域内の単独処理区の編入、広域化・共同化を進める観点から江戸川第一終末処理場の整備を進めている。

 江戸川第一終末処理場では、計画される水処理全8系列のうち、第1系列を2021年3月1日に供用開始した。第2系列については27年度の供用開始を予定しており、24年度には約43億円を措置し、施設の増設工事を行っている。今後、8市から流入する汚水量の増加に合わせて処理施設を増設していく計画。

 要望では、江戸川左岸流域下水道事業を継続的に推進していく観点から、江戸川第一終末処理場の早期完成に向け、第3系列以降の整備に必要な事業予算の確保と将来汚水処理量に応じた段階的かつ計画的な整備を着実に進めるよう配慮を求めた。

 要望活動参加者は、本郷谷市長のほか、田中甲・市川市長、鈴木有・野田市長、内田悦嗣・浦安市長、西水徹・船橋市副市長(市長代理)、飯田晃一・柏市上下水道事業管理者(市長代理)、矢幡哲夫・流山市上下水道事業管理者(市長代理)、葛山順一・鎌ケ谷市都市建設部長(市長代理)。

 熊谷知事のほか、澤宏幸・県土整備部都市整備局長、横土俊之・県土整備部次長などが対応した。

 

市川市菅野の終処延命図る

 

 本郷谷市長、田中市長、鈴木市長は活動後、県庁本庁舎1階県民ホールで記者団の取材に応じた。

 本郷谷市長は「知事からは『第2系列の完成を待たず第3系列の整備を前倒して進め、早期の下水道普及率100%を目指して協力していく』と、力強い言葉をいただいた」と、要望活動の成果を報告した。

 田中市長は「市川市としては、菅野終末処理場の延命を図り、江戸川第一終末処理場への経路が整備されるまで持ちこたえていく」との方針を示した。

 鈴木市長は「合併浄化槽や単独浄化槽の切り替えの時期が来ている。また、新たな建物の建設が進められており、処理能力が足りなくなる」と課題を語った。

 県は「第2系列の整備と第3系列の整備を並行して進める」との方針を示し、25年度当初予算案に第3系列の杭打ち工事費を盛り込んでいると明かした。

要望書を掲げる本郷谷市長(左から4人目)と熊谷知事(同5人目)など 要望の趣旨を説明する本郷谷市長 あいさつする熊谷知事 要望活動の様子 戸川第一終末処理場の全体平面図

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