新潟県建設産業団体連合会(福田勝之会長)は10日、新潟市中央区の白山神社で工始祭(たくみはじめさい)を執り行った。新年の仕事始めに際して一年間の作業の安全と建物が永遠に栄えることを祈る伝統行事で、当日は福田会長をはじめとして新潟建産連を構成する各団体のトップや関係者が新たな年の工事安全を祈願した。
白山神社拝殿での祝詞奏上後、1974年から続く「匠始ノ儀式」は、新潟市建築組合連合会有志により鋸ノ儀、墨指し・墨付ノ儀、釿打ノ儀、鉋ノ儀のほか、槌打ノ儀が古式にのっとり厳かに行われた。続いて福田会長や構成団体の代表、北陸地方整備局の髙松諭局長らが玉串を奉げた。
直会で福田会長は「建設産業としてはこれからも現場の最前線を担う地域の守り手として安全に最大限の注意を払いながら地域に貢献してまいる所存。今年は能登においても新潟においても復興が目に見える姿となるよう引き続き力を尽くしてまいりたい」とあいさつ。また昨年は県内建設業における死亡災害が前年比で増加しており「このことを真摯(しんし)に受け止めるとともに、引き続き安全対策や安全衛生教育のさらなる充実強化を通して労働災害の防止を図り、死亡災害ゼロ、労働災害根絶に向けて決意を新たにしたい」と表明した。
来賓の髙松局長は労働災害について「受注者・発注者の双方が互いに高い意識を持って根絶を目指していかなければならない。若者たちが建設業に目を向け、働きたいと選んでもらうためには安全な職場、建設現場であることが大前提。建設労働災害の根絶を目指し皆さま方と連携して取り組む」と話した。県土木部の深田健部長は昨年に県発注工事で死亡事故が1件発生したことを受け「工事の安全を確保するため、あらためて適正な工期の設定や工事現場における安全管理に十分配慮し、事故を起こさないよう努める」とし「安全活動の原点に立ち返り、労働災害防止に対する特段の取り組みを」と要請。新潟労働局の千葉茂雄局長は、昨年は県内建設業において死亡災害が8件発生し、休業4日以上の死傷者数は346人だったとした上で「労働者が健康で安心・安全に働ける職場環境の整備が必要となっている。労働災害撲滅に向けた積極的な取り組みと働き方改革の推進について引き続きご尽力いただきたい」と協力を求めた。
【写真=福田会長、関係者が見守る中、厳かに儀式が行われた】