古河市は、県が進めている水道事業の広域連携に参加することを踏まえ、水道事業の広域連携基本方針をまとめた。広域連携投資事業としては①思川浄水場の更新(新設)②総和地区に配水場を築造し、配水場を経由して思川浄水場から三和浄水場まで連絡する送水管を整備③現在の「古河・総和配水ブロック」と「三和配水ブロック」を連絡する送水管を整備する「配水ブロック化」―などを推進する。思川浄水場の更新には事業費233億円を見込み、2025年度から設計・用地取得を進め、28年度からの工事を想定している。
古河市の水道事業は、給水人口の減少や施設更新への大規模投資が課題で、特に思川浄水場の更新と三和地区の地下水からの水源転換がテーマとなっている。安全で安心な水道サービスを低い料金で提供するため、市では県による水道事業の広域連携に参加することを決定。広域連携に向けて、市の今後の水道事業の基本方針をまとめた。
基本方針では、人口や水需要予測を基本に、施設の最適化案を検討。
主なポイントは、思川浄水場を県西地区の基幹浄水場に位置づけ、市と栃木県野木町の共同施設となっているため、野木町と負担し合って更新する。浄水場は更新時期を迎えるため、思川流域の新たな場所に浄水場と取水導水施設を整備する。更新作業は、現在の水道水の供給を停止せずに行うため、施設を新設する。
概算事業費は233億円。25年度から27年度まで設計・用地取得を進め、28年度から34年度まで工事を想定する。既存施設の撤去費などには13億円程度を見込む。
また、思川浄水場から三和地区まで水を供給するため、総和地区に配水場を築造し、配水場を経由して思川浄水場から三和浄水場まで送水管で連絡する。事業完了とととに三和浄水場は配水場として運用し、三和地区の水源を地下水から思川表流水に転換する。
これらの概算事業費は70億円。29年度と30年度に設計と用地取得を行い、31年度から34年度までの工事を見込む。
また、思川浄水場の更新に伴い、補助施設である古河浄水場、駒羽根配水場は廃止する。
さらに、三和地区への送水で整備する送配水施設を利用し、現在の「古河・総和配水ブロック」と「三和配水ブロック」間をさらに送水管で連絡することで、配水管網のバックアップ機能を確保する「配水ブロック化工事」も計画する。概算事業費は91億円。29年度からの事業着手を想定。
一方で、多額の事業費が予想され、給水原価に大きく影響するため、経営統合後の災害や事故発生対応の検討と併せて、費用対効果を踏まえて事業実施を判断する。
広域連携に向けて市では、24年度内に県企業局と経営統合に係る基本協定を締結する予定。25年度からは3カ年程度で統合に向けた最終調整や必要な計画の策定を進め、広域連携投資事業に着手する。