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栃木県宇都宮市

宇都宮市、東谷で県営農地整備へ準備、約90ha、埋文踏まえ区域を検討

2025/01/23 栃木建設新聞

 宇都宮市は、東谷地区で県営農地整備事業の導入に向け準備を進める。調査対象面積は約90ha。2024~25年度に土地の所有権調査などを実施する。早ければ26年度に県農政部の計画調査地区に位置付けられる見通し。調査対象の地区内には県内最大級の墓域の笹塚古墳があり埋蔵文化財包蔵地(遺跡)が多い。順調ならば、県河内農業振興事務所の事業化に向けた基礎調査と同時期に埋蔵文化財調査が行われる見通し。埋文調査の結果を踏まえた事業区域の設定や計画内容の検討を進める。

 所有権調査などを実施する対象区域はインターパーク西側の水田主体の農地。主な区域境は北はインターパークと主要地方道宇都宮結城線(上三川街道)を結ぶ市道5580号線付近、南は上三川町との行政境付近。

 東はインターパーク沿いの市道697号線や北関東自動車道沿いの4820号線など、西は宇都宮南高校の北や南の農地。一般県道雀宮真岡線の南側は北関東自動車道の両側が含まれる。

 これまで農業生産基盤整備が行われておらず、農地は狭く不整形。作業道は不十分なうえに狭く屈曲。水路の一部は土水路で、用水源は地下水をポンプで汲み上げている箇所がある。大型機械の搬入が困難で水管理に苦慮するなど生産性が低く、圃場の整備が必要な地域。

 市は今年度、県単換地等調整事業費100万円を充て土地所有権調査などに着手。業務は県土地改良事業団体連合会に委託した。

 事業化に向け県農政部の計画調査費が割り当てられるのは最短でも26年度。基礎調査、計画設計、計画樹立を経て事業着手は最短でも29年度。

 地区内は笹塚古墳のほか鶴舞塚古墳、集落跡の権現山遺跡、立野遺跡など古墳時代から奈良、平安時代の遺跡が点在。計画設計では埋文調査結果も踏まえた区域設定や工法が検討される見通し。面積が広く、宅地もあるため農地整備事業着手までの調査期間に3年以上かかることも想定される。

 市の水田整備率は県全体の69・4%を上回る76・1%(23年度)。市内では県営農地整備事業が上石那田、刈沼川、海道の3地区で実施中。圃整工の発注はほぼ完了している。

 河内農振事務所管内は農地整備の事業化に向け市内の幕田西部で基礎調査、上三川町の上郷1で計画設計が進められている。

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