建設業労働災害防止協会安曇野分会(降幡真分会長)と安曇野市建設業組合安全協議会(酒井義人組合長)は23日、2024年度の第2回建設・建築工事の現場研修および室内研修会を開催した。午前中に現場研修および安全パトロールを、昼食をはさみ午後からは安曇野合同庁舎で室内研修会を開催。大町労働基準監督署や県安曇野建設事務所の職員らも参加し、さらなる安全意識の向上を図った。
現場研修会に先立ち酒井組合長は「今日のパトロールについては、反省点や良かった点などを各職場に持ち帰り、明日からの現場の安全に生かしてほしい」と呼びかけた。その後3班に分かれ、管内の工事現場を巡回した。
午後の部では、午前中に実施した現場研修会の報告を各班の班長が行った後、大町労働基準監督署の中澤智也労働基準監督官が「建設業における安全衛生に係る留意事項について」、建設経営サービスの高木元也氏が「建設現場で繰り返し発生する労働災害の防止とヒューマンエラー」をテーマに、それぞれ講演した。
講演に先立ち降幡分会長は「午前中のパトロールでも安全に注意喚起していただいたところではありますが、労働災害をこの分会で絶対に発生させてはならない。厳しい環境ではありますが皆さま協力をいただければ」と呼び掛けた。
続く来賓では大町労働基準監督署の藤川康廣署長が「安全パトロールの効能は同業者が注意・助言し合うことにより、注意した側が改善するだけでなく、注意した側も、自らの襟を正す必要が出てくる点が大きい。安全に対する機運も盛り上がり、地域全体の安全向上にもつながる。同業者で刺激し合うことで労働災害撲滅に務めてほしい」と述べた。
安曇野建設事務所の小林宏明所長は「週休2日工事や発注の平準化、施工者希望型ICT活用工事など、皆さまの労働環境の整備を推進している。今後も建設産業が持続していくための重要な取り組みなので、積極的な活用をお願いする」、安曇野市都市建設部の横山佳久部長は「市民生活に必要不可欠な社会資本整備の品質確保に感謝する。1月に入り穏やかな気候が続いているが、冬場の安全確保の備えを万全にしてほしい」とあいさつした。