国土交通省は重層下請け構造に関する調査に乗り出す。2025年度予算概算要求に盛り込んだが、前倒しで24年度補正予算に確保。アンケート調査などにより、まず実際の状況を確認するなど実態調査を行う。調査対象数は確定しないが、今後の政策立案の参考にできるようサンプルとして使える程度は確保したいという。
第3次担い手3法につながった中央建設業審議会基本問題小委員会の中間とりまとめで、実態把握やあるべき方向性を今後検討することが望ましいとされた3項目の例示筆頭が「重層下請構造に起因して非効率や技能労働者への不利益が発生していないか。また、実態を踏まえて建設業許可の合理化をどう考えていくか」だった。
調査は、各建設業団体を通じ会員企業に対して行う形となる。また、対象とするのは企業規模の大小で左右されないよう企業単位ではなく、工事の契約単位で行う考え。基本的に元請け企業に回答を求めることになる。調査項目としては、下請次数を次数ごとの下請け企業の役割分担などを聞くイメージ。また、賃金や労務費関係の話であれば、下請企業側に聞くことにもなる。
担い手不足が叫ばれる中、持続可能な建設業に向け、さまざまな問題提起や目指すべき方向性を検討していく上で、入り口となるものとなっていく。調査のとりまとめ、分析結果などは、12月ごろをめどにとの考えもあるが、調査の規模などによって時期は左右される。
なお、関連して自治体では下請けの次数制限を導入しているところもあり、その状況調査や、バックグラウンドが異なるが海外の事例も調査したい考えがある。