小山市治水対策課は、1級河川豊穂川流域の準用河川島田川(旧小山栃木排水路)と立木川の河道計画に基づく構造物等詳細設計を固めた。島田川は既設排水路取水堰下流から西側に1級河川思川合流まで740mを新設。立木川は当初計画の700mを調節池と併せ河道整備の必要性から上流側に延伸し1120mに変更した。島田川は調節池容量6万立方mを維持するため、面積を4・3haに拡大。すでに用地補償に着手しており、2025年度にもPC2橋梁の下部工事の発注を計画。立木川は3月までに用地測量を発注、進ちょくに応じ物件調査を委託する見通し。
島田川は河道新設と併せ周辺地域の排水を受け入れる小規模樋管3カ所。市道1119号線と1123号線の橋梁2カ所とともに、橋梁新設に合わせ影響部幅員を4mに拡幅。思川合流部に排水樋門、調節池を整備する。
河道計画は高水流量毎秒35立方mを安全に流下させるため、標準断面で天端14・3m、河床幅11・5mを確保。護岸は5分勾配とし、間知ブロックで整備。両岸の堤防上は幅員3mの管理用通路を配置する。現況排水路幅は3・8m。
小規模樋管は上流端の既設排水路分岐部左岸と思川合流部付近の左右岸の計3カ所。構造は□1m×1mのRC造。放流口はフラップゲートで河川の水位上昇時は閉鎖して逆流を防止する。
樋門は幅6・95m×3・5m×2門の鋼製ゲート。河川の水位を把握するため、島田川側と思川側に水位計を設置する。樋門は島田川の計画水位を超え、思川の水が逆流した場合に閉鎖。閉鎖は現地確認と水位計の数値から判断する。
橋梁は上流側に1119号線、下流側が1123号線。両橋梁とも18・2m(幅員4m)で下部工が杭基礎逆T式橋台2基。上部形式はプレテンション方式PC単純中空床版桁。道路と橋梁架設が口開けの工事となる予定で、取り付け部の仮設とともに25年度にも下部工事の発注を目指す。
現況幅員は1119号線が2・5m、1123号線は3・7m。両市道とも橋梁幅員の4mに拡幅する計画。1119号線橋梁には水道管、下水道管(農集排)を添架する。
調節池は全川にわたり左右岸に沿って整備し容量が6万立方m。当初は下流側を中心に3・3haを試算していたものの、地下水調査や浸水シミュレーションを実施。地下水位が高く想定に比べ広範囲が浸水することが判明。6万立方mを維持するため上流側に1ha範囲を広げ4・3haとした。
調節池の深さは0・5~2・1m。周囲には幅員3mの管理用通路を配置する。道路で水が遮られる調節池間は連絡管を接続する。下流部の左右岸には越流堤を設置し、氾濫水を調節池に流す。
施工は25年度をめどに橋梁、排水樋門、河道と調節池の順に着工を計画。事業期間は28年度まで。河道計画と構造物設計をピーシーレールウェイコンサルタント、地下水調査がフジタ地質、用地測量は三条工測が担当。
市は24年4月1日に準用河川指定位置を変更し河川名称を島田川とした。