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〈日々の栞〉共同作業でいい笑顔

2025/01/30 本社配信

▼プロの現場は厳しい。笑いながら仕事をするなどもってのほか、という教えもあろう。だが仕事といえど人間がやること。楽しさはモチベーション維持に重要だ。「好きこそ物の上手なれ」。建設業であれば、まずはモノづくりの楽しさを知ってもらう。好きになれば熱心に取り組み、おのずと知識も技術も向上していく

▼山梨・中央市の建設団体がボランティアの一環で、地元の中学生と共にベンチを製作した。数人程度の参加と見込んでいたが25人の生徒が集まり、関係者は笑顔で迎えた。建設業者が市役所駐車場に木材や工具を用意。木材は組み立てるだけの状態に加工されている

▼慣れない手つきの生徒たち。担当者がハンマーや電動工具の使い方を指導した。寒さで手がかじかむこともあり、ビス一つ打つのがおぼつかない。担当者が「こういうふうに手で支えて」と熱心に指導する。成功すると、生徒と担当者は顔を見合わせ楽しそうに笑った

▼中にはハンマーの使い方が粗く、木材を割ってしまうことも。ワイワイ言いながら製作する光景に建設業の楽しさがあふれていた。仕上げに塗装し完成。ベンチは公園や学校に設置された

▼印象的だったのは、生徒以上に教える側の担当者の顔が輝いていたこと。自らの知識や技術を若い世代に伝えることがうれしそうだった。失敗しても、やっていけばうまくなる。何度もチャレンジし、徐々に腕を上げるもの。その過程が建設業の醍醐味だ。「モノをつくり大勢の人に使ってもらう喜びを知ってもらいたい」。主催した中央市建設協力会の思いは、きっと次世代に受け継がれていくだろう。(山梨・OS)

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