3日に開かれた県契約審議会で、建設工事等における低入札価格調査制度の見直し案が了承された。「変動制」は維持し、算定方法は入札者が5者以上の場合、その平均価格から「標準偏差×定数」を減算した価格を調査基準価格、失格基準価格とする。
一方で、算定対象の入札者が5者未満の場合は、5者以上の場合の下限値を調査基準価格、失格基準価格とする。また、昨年6月に担い手3法の改正を踏まえ、算定方法見直し後の適正な水準の労務費等を確保するため、調査基準価格、失格基準価格の下限値を引き上げるとともに、上限値は設定しない方針とした。受注希望型、総合評価落札方式ともに同じ算定方法を適用する。実施時期については2025年度中を目標とするが、実施後も入札状況の分析を行い、適宜、調査基準価格等の算定方法を含む制度の改善を検討する。
なお、総合評価落札方式については制度の趣旨を踏まえ、価格最高点を狙った過度な競争を抑制するため、価格点の算定方法等を見直し、算定対象の入札者の平均価格(現行の調査基準価格)を価格点基準価格(仮称)とし、新たな調査基準価格までの間を価格最高点とすることを検討するとした。
同制度の見直しを巡っては、県が本年度第2回の契約審議会で改善を検討することを表明。調査基準価格の上限値(工事は予定価格の94.5%、業務は同90%)付近に入札価格が集中し、そこからわずかに下回った価格で調査対象となる事例が発生していることや、工事では調査により失格となった事例がなく、制度の形骸化が指摘されていることを踏まえたもの。
■「週休2日実績」評価点廃止
総合評価落札方式における「週休2日の実績」の評価点を廃止する。23年10月から原則「発注者指定型」での発注としたこと、23年度の週休2日実施率が96%だったことなど、建設現場での週休2日の普及が確認できたため。
現在は総合評価落札方式(工事成績等簡易型)の「週休2日の実績」の評価点に技術者要件、建設マネジメントどちらも0.25点を加点しているが、いずれも見直しにより廃止となる。25年5月1日の入札公告案件から適用を開始する。
■発注標準金額1.14倍に
建設工事の資格総合点数別発注標準については、国土交通省がここ数年の建設工事費デフレーターの急上昇を踏まえ、発注標準の工事金額の引き上げを26年ぶりに行い、25年4月1日以降に締結する工事から適用することから、県も同様に引き上げを行う。国交省は工事金額の引き上げに当たり、20年度から23年度の建設工事費デフレーターの伸び率である1.14倍を全6工種で一律に反映していることから、県でも国交省と同様の1.14倍を各業種に反映する。県が引き上げを行う工種は①土木一式②建築一式③舗装工事④電気・電気通信工事⑤とび・土工・コンクリート⑥解体工事⑦管・鋼構造物(橋梁上部工除く)・造園・その他工事の7種類と⑧森林整備業務の8種。
25・26・27年度入札参加資格の資格有効期間の始期に向け、引き上げた工事金額による資格総合点数別発注標準表を作成し、25年5月1日の入札公告案件から適用する。