記事

事業者
国土交通省

【地方都市再生】都市計画制度は限界/有識者会議であり方検討

2025/02/06 本社配信

 国土交通省は、地方都市再生や都市計画制度のあり方について議論をスタートした。6日に同省内で開かれた都市計画に関する有識者会議では、委員から「都市計画制度は限界に来ている」「まちづくりの新しい枠組みを作るべき」といった意見が出された。会合には群馬県や新潟県長岡市の職員が出席し、都市計画や市街地活性化について説明した。

 有識者会合に当たり、同省は都市行政における現況について資料を各委員に提示。この中に人口減少・少子高齢化、空き家増加のほかに「仕事・学校が少ない、魅力が乏しい」といった地方都市の課題を掲載。『地方創生』実現に向けた都市再生について、災害対応や広域的なまちづくりの視点も含めた議論の必要性を示した。

 出席した委員からは「広域連携のあり方を早急に検討すべき」「人々の暮らしの変化や災害対応の不備も含め、都市計画は破綻している」「都市の規模別に再生プログラムを作る必要がある。施設整備は将来人口推計をもとに実施すべき」「マスタープランと国土強靱化のすり合わせが必要」「マスタープランを根本から見直すべき」などの意見が出た。

 同省は今回の意見を整理して今後議論すべきテーマや会議の進め方を検討し、次回会合で示す方針。


◎群馬県が都市計画説明

 会合には群馬県から県土整備部都市計画課の小島康弘課長が参加し、県の都市計画について説明した。小島氏は、群馬県では市町村が「まちなか」、県は広域連携・調整を考えるといった役割分担でまちづくりを進めていること、郊外土地利用については県と市町村が共同であり方を決めたことなどを紹介。広域連携・調整の課題として◇立地適正化計画において県の調整能力を発揮する権限が少ない◇市町村内の公共施設見直しが進まない-などをあげた。また地域振興と規制が対立すること、まちづくりの旗振り役が不足していることも示した。


◎長岡市は市街地再活性

 長岡市からは中心市街地整備室の高頭靖室長が参加。高頭氏は、同市の中心市街地で大規模商業施設閉店を機に商業施設が連鎖的に閉店して衰退したことを説明。その後に再開発事業で都市機能を再集積することで活性化に至る流れを紹介した。また長岡で暮らしながら首都圏の企業にリモートワークで勤める働き方『長岡ワークモデル』(賛同企業66団体、2024年11月現在)の普及促進に努めていること、同市・内閣府・東京大学の連携協定で日本初のイノベーション地区創設を目指していることを話した。

記事資料

紙媒体での情報収集をご希望の方は
建設新聞を御覧ください。

建設新聞はこちら