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【道路法改正】連携協力制度の創設へ/市町村技術職員減に対応

2025/02/11 本社配信

 道路啓開計画策定や連携協力制度創設を掲げた道路法などの一部改正案が7日に閣議決定され、国会に提出された。改正案では災害時を想定した道路啓開計画策定および計画に基づいた実効性のある道路啓開実施、道の駅などの防災機能強化・改築の直轄代行、市町村の技術系職員減少を踏まえて他自治体が代行修繕する連携協力道路制度創設、道路における脱炭素化促進などが示されている。

 2024年1月の能登半島地震では、人命救助やライフライン早期復旧のための道路啓開の強化、平時からの防災活動拠点の整備、トイレコンテナ配備の重要性が明らかになった。また市町村の技術系職員減少により、道路の防災機能確保も含めてインフラ管理が課題となっている。さらに地球温暖化の影響を防止するため、道路分野の脱炭素化が重要となっている。

 今回の法改正はこうした現状を踏まえ、安全・円滑な道路交通を確保するために行う。

 改正法案の概要は次の通り。

【災害対応の深化】

◆初動対応の強化=道路啓開計画策定を法定化、実効性のある計画に基づいた道路啓開を実施する。記載内容は対象災害、啓開目標、対象路線・区間、啓開方法、資材・機械の備蓄・調達、訓練、情報の収集・伝達方法など。

◆災害時における国による機動的な支援=災害時には直轄代行制度を拡充する。災害復旧のため、地方管理の自動車駐車場を活用する場合に必要な管理を代行する。

◆防災拠点としての自動車駐車場(道の駅など)の機能強化=平時に利用でき、災害時は被災地への出動が可能なトイレコンテナの占用許可基準を緩和、設置に対する無利子貸付制度を創設。また地方管理の防災拠点自動車駐車場について、改築などを直轄代行できる制度を創設。

【持続可能なインフラマネジメント】

◆連携協力道路制度を創設=市町村の技術系職員減少に対応し、効率的な道路管理を実現するため、隣接・関係する道路管理者間の協議により道路の点検や修繕を他自治体が代行できる制度(連携協力道路制度)を創設。

【道路脱炭素化の推進】

◆脱炭素化推進計画を策定=国の道路脱炭素化基本方針に基づき、道路管理者が道路脱炭素化推進計画を策定する枠組みを導入。脱炭素技術の活用を促進するため、道路の構造に関する原則に、脱炭素化推進への配慮を位置付ける(低炭素アスファルトなど)。脱炭素化につながる施設(太陽光発電施設や走行中給電施設など)の占用許可基準を緩和する。

【道路網整備基本理念の創設】

◆基本理念の創設=効率的・効果的な整備、防災機能の確保、脱炭素化の推進を定めた基本理念を創設する。

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