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都市軸道路利根川橋梁 新規化は妥当/3.5㎞、498億、18年間

2025/02/14 日本工業経済新聞(茨城版)

 茨城県と千葉県を結ぶ都市軸道路の(仮称)利根川橋梁の新規事業化に向けた県の評価委員会が6日に開かれ、事業化が「妥当」とされた。今後、国の補助事業としての採択を目指すとともに、県道路建設課では新年度予算案で同事業に係る設計調査費を盛り込みたい考えだ。

 利根川橋梁は、千葉県柏市小青田と茨城県守谷市大柏を結び、千葉県と茨城県の共同事業となる。延長約3・5㎞で、このうち千葉県側取付部が約1・6㎞、渡河部約900m、茨城県側取付部は約1㎞。計画幅員は12m。道路規格は4種1級。設計速度は60㎞/h。全体4車線のうち、今回は、片側の暫定2車線整備を計画。全体事業費は約498億円。事業期間には約18年間を想定している。

 渡河部前後の千葉・茨城の取付部については、上部工・下部工を施工。渡河部については、TXに合わせて一体下部工として2003年度に整備済み。今回の暫定2車線の計画では、既存橋梁の耐震補強は不要だが、将来的な交通量の増加により完成4車線とする際には補強が必要となる。

 千葉県側でも先月22日に事業化に向けた事前評価が行われ、事業化を妥当としている。また、同日には、大井川和彦茨城県知事と熊谷俊人千葉県知事の両知事および千葉・茨城都市軸道路整備促進期成同盟会が、国土交通省に対して早期に補助事業として採択し、新規事業化を求める要望を行った。

 埼玉県三郷市から千葉県を経由し、茨城県つくば市を結ぶ都市軸道路沿道地域では、TX沿線開発と合わせて大規模な住宅団地や工業団地の整備が進み、さらなる人口増加、企業立地、経済活動の発展が見込まれる。一方で、守谷市と柏市との間の利根川橋梁部は、慢性的に混雑が発生し、両県間の交流や連携、物流の妨げとなり、新たな橋梁の整備が求められている。

 同事業により周辺地域の交通混雑緩和と安全性向上が図られ、交流人口の拡大、防災などの効果が期待される。

利根川橋梁の事業概要

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