岡谷市は18日開会した定例市議会に2025年度予算案などを提出した。注目の川岸学園整備事業には、24年度2月補正予算案で3億8930万円、25年度予算案で2629万円を計上するとともに、26~27年度分の事業費として限度額29億7693万円の債務負担行為を設定。年度明け早々に仮設校舎の建設や川岸小学校の一部解体工事を発注する。
同事業は川岸小の大規模改修に併せて、隣接する岡谷西部中学校と校舎をつなぎ、市内初の「施設一体型義務教育学校」へ移行。また、同じ敷地内に公立の幼保連携型認定こども園を併設する。現在はエーシーエ設計・サイトJVによる実施設計業務が7月末の履行期限で進められているところ。今回予算化したのは義務教育学校の整備にかかる費用全額で、認定こども園の工事費は26年度に措置する予定。
27年4月の開校を目指す義務教育学校については、まず仮設校舎を建設するとともに、川岸小の第2体育館と、認定こども園の建設場所となる小学校校舎の南側部分を解体する。この工事は4月にも発注する予定。その後、小学校と中学校をつなぎ、給食室などが入る「接続棟」の建設、小学校の大規模改修、小中それぞれの給食室の解体などを順次進めていく。解体工事後の工程については実施設計の完了を待って7月以降できるだけ早期に発注する考え。発注形態は検討中。
認定こども園の建設工事は26年度に発注し、27年8~9月ごろの竣工を見込む。完成後ただちに開園するか、28年度からとするかは未定。
25年度分の事業費となる24年度補正および25年度予算の主な内訳は、補正が工事費3億4610万円、設計等委託料追加分3620万円、工事監理委託料510万円。当初が設計等委託料(認定こども園整備分)1317万円、学童クラブ施設整備工事費1090万円。
■総合体育館改修へ6.8億円
市民総合体育館大規模改修事業には工事費4億500万円と工事監理委託料468万円を計上するとともに、26年度分の費用として限度額2億8051万円の債務負担行為を設定。いよいよ工事に着手する。発注形態は建築、電気設備、機械設備の3分離を想定。6月定例議会へ契約議案を提出できるよう、4月中にも施工者選定の手続きを始める。25年度はスワンドーム、26年度は東体育館を改修を予定。工事内容は照明改修、屋根や外壁の補修、床面の研磨など多岐にわたる。設計業務は諏訪総合設計(岡谷市)が担当した。
また、中央町駐車場改修には工事費7000万円。天井部分の被覆材の吹き替えや、防鳥ネットの設置を行う。テクノプラザおかや大規模改修には工事費6660万円。全館空調システムの冷温水機を更新する。再開発ビル「イルフプラザ」の管理組合が2カ年で実施する館内空調設備改修工事には負担金として8億1100万円(うち3億2440万円は26年度の債務負担行為)を措置した。
土木費では道水路維持補修工事に2億8480万円、道水路等改良工事に2億3620万円、河川改修工事に5000万円。橋梁維持補修の測量設計委託に1150万円、橋梁点検等委託に1550万円を計上した。
水道事業会計では配水施設費で単独事業建設費4億1000万円。下水道事業会計では国庫補助改良事業費1億7400万円、単独事業管渠建設費1億600万円を盛り込んだ。
25年度予算案の一般会計における普通建設事業費は31億7663万円で、前年度当初に比べ8億272万円、率にして33.8%の大幅増。区分別では補助事業費が3億1361万円で30.1%減少した一方、単独事業費が27億9132万円で49.7%増加した。一般会計に占める普通建設事業費の割合は13.6%となり、前年度から3ポイント上昇した。
一般会計の総額は233億1000万円で4.1%増。予算案を審議する定例議会の会期は3月17日まで。