県道路保全課は「道路及び河川等維持管理統合業務委託」にパトロールを加える。4月から宇都宮土木事務所で試行。業務結果を検証し近い将来には全県的に広げていく見通し。背景にはパトロールを担当する現業職員の減少と高齢化があり、民間委託を視野に県は新規の採用を休止した。維持管理統合業務は2010年度、日光土木で冬期の除雪に建設事業協同組合等管内を網羅できる共同企業体を対象に民間委託をスタート。現在は簡易な補修への対応を含め道路、河川、砂防など公共土木施設全般の維持管理を担っている。
道路及び河川等維持管理統合業務の受託者の特定には、公募型プロポーザル方式を採用。契約は上期、下期の半期が基本。10年度の日光土木を手始めに、19年度下期の安足土木(足利地区)を最後に全土木事務所に導入した。
同課では土木事務所の管轄エリアの広さや対象の公共土木施設の維持管理密度などを調査。維持管理には道路構造物などの除草、防護柵・側溝・舗装補修、街路樹の剪定、融雪剤散布による除雪など重機を使わず修繕が可能な簡易作業が含まれる。
通年化への取り組みでは22年度に鹿沼、矢板、烏山の各土木事務所を対象に委託期間を延長。24年度には真岡、栃木、安足(佐野と足利地区に分けて委託)の3土木事務所を加え、6土木事務所7業務の通年化に移行した。
直営で維持管理やパトロールを担ってきた現業職員は、日光土木に維持管理統合業務を導入する前年度まで全土木事務所に113人が在職。現業職員は小規模修繕や維持管理を担う作業班とパトロール班に区分。全土木事務所に維持管理統合業務を導入した24年度には45人まで減少。現在はパトルールに従事している。
パトロールは1班を3~4人で構成。宇都宮や大田原など管轄エリアの広い土木事務所は2班体制を取っている。
4月から試行する宇都宮土木は半期の契約。受託者は選定基準に合致していることに加え、業務提案書で評価。宇都宮建設事業協同組合に委託した。
業務提案書には過去15年間の実績の有無を評価する配置予定技術者の業務経歴。過去15年間の受注実績の件数を評価する事業者の業務経歴。
特定テーマでは①道路アンダーなど冠水時における初動体制の確立に関する提案②地域特性に応じた維持管理上の留意点と作業上の安全管理、事故防止対策に関する提案③危険箇所の留意点や作業員の適正配置に関する提案を求め、各提案とも3項目の評価区分を設定した。