国土交通省は、総合評価落札方式においてワークライフバランス推進企業に加点する取り組み対象を拡大する。4月以降は『えるぼし』などの認定を受けた企業に対して0・5点の加点を行う(実施時期や点数は各地方整備局により異なる)。
対象拡大は、2024年3月に開かれた内閣府の男女共同参画会議において、他省庁と比較して国交省による取り組みの遅れが指摘されたことを受けて行うもの。
これまでは一般土木A・B等級で1点の加点措置を行っていた。また100人未満の企業でも、一般事業主行動計画の策定で加点対象としていた。これが2024年3月の政府会議で「すべての国交省発注工事・業務に拡大」する宣言があり、今回の対応となっている。
今後は『えるぼし』『くるみん』『ユースエール』認定企業のみを加点対象とする。一般事業主行動計画の策定は加点対象とはならない。配点は、一般土木A・B等級はこれまで通り1点。土木・建築C・D等級や建設コンサルタント、土木・建築以外のA・B等級などは0・5点となる。
ただし加点『0・5点』の設定は、国交省本省が出した方針。加点の数字については実際に措置を行う各地方整備局で自由に設定できるように制度が組まれている。
なお取り組み実施時期も各地方整備局次第となる。各地方整備局で行う評価基準の更新のタイミングで取り組みを進める。
『えるぼし』は女性活躍推進法に基づく認定制度。一般事業主行動計画の策定・届け出を行った事業主のうち、女性活躍促進の取り組み実施状況が優良な企業を厚労相が認定する。『くるみん』は子育てをサポートする認定制度。一般事業主行動計画に定めた目標の達成など基準を満たした企業を厚労相が認定する。『ユースエール』は若者の採用・育成に関する認定制度。若者の採用・育成に積極的で雇用管理状況が優良な中小企業を厚労相が認定する。