足利市の早川尚秀市長は20日、2025年度当初予算案を発表した。一般会計は前年度比10・3%増の598億円。普通建設事業費は56・2%増の79億4937万7000円。新規は全中学校体育館エアコン設置に5億2000万円を投入する。市民会館・庁舎等整備基本計画策定、両毛中央幹線(仮称)調査、次期産業団地調査、樺崎寺跡復元実施設計を盛り込んだ。(3面に予算額)
早川市長は「中学校へのエアコン設置は有事の際の避難場所の環境改善に直結。中橋の架け替えに併せ、東武足利市駅北口広場の再整備の検討を進める。中橋北側の中央、大日西の両土地区画整理事業を加速させる。次期産業団地の準備を整える」と説明した。
中学校体育館エアコン設置は第1(西宮町)、第2(本城1丁目)、第3(常磐町)、毛野(八椚町)、山辺(西新井町)、西(山下町)、北(菅田町)、富田(駒場)、協和(百頭町)、愛宕台(高松町)、坂西(葉鹿町)の11校。小学校体育館大型送風機導入は265万円。
市民会館・庁舎等整備基本計画策定支援業務委託は2348万1000円。本庁舎、別館、教育庁舎の3棟は耐震性不足。震度6強の地震で倒壊危険が高く、市民会館との複合化を検討。建設候補地は現庁舎周辺(本城3丁目)または競馬場跡地(五十部町)。
新規の両毛中央幹線整備促進は600万円。利根川に新橋を架設し、埼玉県熊谷市~群馬県大泉町周辺を貫く構想路線。北関東自動車道足利ICへのアクセスが高まり、地域連携に重要な路線。沿線自治体と歩調を合わせ、整備要望活動中。整備効果を調査する。
次期産業団地調査費は2564万6000円。市施行の「あがた駅北産業団地」(分譲面積14・3ha)は1次予約分譲の内定企業が決定。2次予約分譲は5~6月に4区画を募集する。売れ行きが好調なため、間を置かずに新産業用地開発調査を強化する。
国指定史跡の樺崎寺保存整備は2759万4000円。浄土庭園や周辺の復元整備を進めるとともに、次期整備箇所の実施設計を委託する。国宝鑁阿寺本堂を開基した足利義兼が文治5年(1189年)に奥州合戦の戦勝祈願で創建したとされる。
中橋関連まちづくりは1億2939万4000円。足利市駅北口広場再整備検討委託、公有財産の購入、県の道路工事負担金に充てる。新橋は285mの鋼5径間連続細幅箱桁。3連アーチ橋は下流に移設後、幅5・5mの歩行者自転車専用道に利活用する。
土地区画整理は中央(4・2ha)が9億906万2000円、大日西(7ha)が3億6366万1000円。両地区は都市計画道路詳細設計、物件調査、建物補償を進め、家屋移転を本格化させる。両地区の完了予定は29年度。近接しており、中心市街地の顔となる。
下水道の資本的支出は45億5210万円(6・4%増)。管渠改築5億3000万円、水処理・汚泥焼却炉設備補修1億4462万8000円、管渠ストックマネジメント改築1億2830円、管渠緊急改築7000万円、取り付け管改築3850万円。
水道の資本的支出は22億4170万円(3・1%増)。南部浄水場非常用自家発電設備設置工事外3億1904万円、大前浄水場引込盤等更新工事外2億3335万4000円、江川配水場地震監視装置等更新工事2億2005万5000円、基幹管路耐震化2億円。
あがた駅北産業団地開発特別会計は4億9000万円(37・6%減)。開発費2億5061万1000円。工業用水道会計の資本的支出は1億4680万円(171・3%増)。配水管更新工事6400万円、田中水源5号井計装盤等更新工事5336万1000円。