記事

事業者
国土交通省

【まちづくり】積み下ろし用の駐車場/共同住宅に設置義務化

2025/02/28 本社配信

 国土交通省は2月26日、まちづくりにおける駐車場政策の検討会を開催した。会議ではマンションなどの共同住宅へ積み下ろし用駐車スペースの設置を義務付ける条例、政令の改正を2024年度内に行うことを確認した。また、全国的に駐車場設置を行政側から調整していく方針も改めて共有した。

 現在の条例では、運送会社などのトラックが積み下ろしを行うスペースの確保は、共同住宅において義務化されていない。このため荷物の積み下ろしスペースが不足する共同住宅の周辺地域で路上駐車をする車両の増加が問題視されていた。こうした需要の増加に伴い、共同住宅の積み下ろし駐車場の設置を義務化する方針とした。

 さらに都市全体での駐車場の無秩序な乱立も抑制する方針を示した。具体的には、中心市街地の平面駐車場の削減、余っている駐車場の振替、集約の制度化などになる。

 平面駐車場の削減は、舗装面積の削減により緑地増加、ヒートアイランド現象の回避を図るもの。近年の温暖化、猛暑による環境負荷を考慮する。

 駐車場振替や集約制度化は、土地利用の適正化を狙うもの。敷地内に駐車場を設置しなくとも地域の集約駐車場に一定台数を確保すれば設置義務を満たせるよう、条例の緩和を検討する。

 近年は郊外への大型施設進出により、中心市街地のにぎわい喪失や人口減少によるコンパクトシティ化の推進など、都市構造の変化が顕著になっている。駐車場のある市街地が衰退し、空きテナントが目立つようになるなどの事例も報告されている。同省は今後も個々の都市の都市計画に応じたまちづくりを支援する考え。

紙媒体での情報収集をご希望の方は
建設新聞を御覧ください。

建設新聞はこちら