埼玉県建設業協会技術委員会主催による「木造中・大規模建築推進セミナー」が4日、さいたま市内の埼玉建産連研修センターで開かれた。セミナーは会場とオンラインのハイブリッド形式で開催され、会場にはおよそ70人、オンラインでは10人の協会員や行政担当者らが参加。中・大規模建築物における木造利用の現状や最新の技術について理解を深めた。
開会あいさつで、技術委員会建築技術PTリーダーの平岩敏和氏は「国は中・大規模建築物の木造化推進へ法改正を行った。当PTでは活動の主なテーマとして木造利用を推進していく活動を行っている」とセミナーの位置付けを説明。
次に同PTメンバーの栗原雄一氏は「PTでは木造の中・大規模建築物の推進のため、山形県内で公共施設の木造利用状況を視察するなど、2年間にわたり活動してきたが、本日のセミナーはその集大成。今後、私たちが起点となり、S造やRC造だけでなく中規模・大規模の木造も施工できる建設会社として他社との差別化を図り、環境負荷の低減や地域社会の貢献に取り組んでいきたい」とセミナーの開催趣旨を説明した。
講演は4部構成で行われた。最初に県農林部森づくり課木材利用推進・林業支援担当の青木俊之氏が、埼玉県の取り組みを説明。埼玉県の人工林約8割が利用可能な時期を迎え、県では県有施設の建築にあたり、原則として木造化することを指針に明記。利用するうえでの相談窓口や支援事業、認証制度などを紹介した。その後、建築業界で、木造利用の先進的な独自技術を有するAQGroup、ポラテック、シェルターの3社が、各社の取り組み事例と技術紹介を行った。
写真=技術委員会建築技術PTリーダーの平岩敏和氏