国土交通省は、新たな入札契約方式として技術提案評価型(S1型)を実施する。軽微な仕様変更を認めつつ、品質向上などの効果(便益)を適切に費用計上できるものとなる。同省では25年度試行に向けて3月中に実施要領を地方整備局へ通知する。
現行の技術提案評価型(S型)における技術提案はコストも入札価格に含まれることから、新技術など費用を要する提案がしにくく、品質向上・効率化・安全性などに寄与する提案が難しい面がある。
S1型は、仮設物・工法・目的物の軽微な変更や新技術の活用により、さらなる品質向上・安全性向上・環境改善などが期待できるものを対象工事とする。具体的には◇工期延期のリスク回避(施工性の高い工法への変更)◇安全性の向上(交通渋滞・交通事故発生の防止、作業員の危険防止)◇構造物の新設時における点検困難箇所への維持管理性の高い工法採用―などが想定されている。
予定価格の設定については、技術向上提案部分に要する費用は含めない。公告図書では上限額を明示する。上限額は当初予定価格の5%を上限として設定する。
発注手続きの期間は、技術提案の作成や発注者による評価に時間を要するためS型より長く設定する方針。
25年度の試行分はフォローアップ調査を行って効果や課題を把握する。これを踏まえて直轄工事の総合評価方式運用ガイドラインや入札契約方式の適用に関するガイドラインを改定し、本格運用につなげることとしている。