那須烏山市は9日、下境地区の防災集団移転促進事業の地元説明会を開催。主要地方道那須黒羽茂木線西側の24戸を当初計画として先行し、2025年度内に事業計画の大臣同意を目指す考えを示した。移転先住宅団地が検討される旧境小学校跡地には24戸のうち14戸が移転を希望。跡地の住宅団地整備工事は26~27年度を想定している。県道東側の36戸は西側の移転状況を踏まえ計画を変更しながら事業を推進。30年度の変更事業計画大臣同意を目指す。県道東側地区の移転先住宅団地は旧境小南側を順次拡大していく方針。
下境地区全体の移転対象は60戸。住宅団地への移転希望は34戸。事業要件の5戸以上かつ移転対象住戸の半数(30戸)以上を満たしている。
下境は移転対象戸数が多く、住宅団地移転希望の34戸を一度に移転できる住宅団地の用地確保が困難。このため19年東日本台風の浸水深、那珂川霞堤完成後の被害想定、移転に対する合意形成状況の3項目を勘案し、県道西側24戸を対象にした防災集団移転促進事業を当初計画として策定する。
旧境小跡地は面積約1万2000平方mの市有地。24年度に校舎などの建物が解体され現在は更地。県道とのアクセス道路が検討される。西側地区では10戸が個別移転を希望。当初事業計画の大臣同意後26年度から旧境小跡地の団地整備工事と個別移転を進めていく考え。
県道東側36戸は20戸が住宅団地への移転を希望。26年度から旧境小跡地南側移転先の用地交渉を進め、28年度から変更事業計画書を作成。変更計画大臣同意後、31年度から旧境小南側の用地取得や個別移転などを想定している。
市は3月補正予算に下境、宮原地区の住宅団地詳細設計費を計上。25年度に詳細設計を進める。
事業では住宅団地内の公共施設として道路や水道施設(宅地内第1止水弁まで)のほか、大規模な場合は集会施設や開発基準に見合った公園や調整池、排水施設などが整備される。
事業のうち宮原地区は宮原公民館北西の民有地に住宅団地を整備する方針。宮原地区は対象の36戸のうち20戸が公民館北西の住宅団地に移転を希望。下境の県道西側地区と同様のスケジュールを想定している。