北陸地方整備局高田河川国道事務所が手続きを進めてきた、関川水系河川整備計画(大臣管理区間)の変更が19日に決定した。対象区間は関川の12・2㎞(上越市島田~新長者原)と保倉川の1・6㎞(上越市春日新田~頸城区西福島)の総延長13・8㎞で、対象期間は30年間。計画では、保倉川の抜本的な治水対策として放水路を整備し、洪水を直接日本海に流す方針が盛り込まれており、同事務所では今後、変更された河川整備計画に基づく調査検討を進める見通しだ。
今回の変更では、気候変動を踏まえて関川の高田地点における目標流量を3200立方/sに引き上げ、同流量を河道に配分するほか、保倉川の松本地点での目標流量を1700立方/sに引き上げて保倉川放水路に900立方/sを分派し、河道への配分流量を800立方/sとする。関川では、目標流量を流すことができる河道にするための河道掘削を実施。堤防防護ラインを確保できる範囲で低水路内掘削を進めるものの、確保できない場合は護岸工などで対策を行う。掘削箇所・掘削断面は今後の詳細設計を経て、最終的な形状を決定する。
保倉川放水路のルートは、地域住民の生活への配慮、確実な治水効果の実現、重要な施設への影響を最小化することを考慮して設定する。施設の検討に当たっては関係機関と協議しつつ、保倉川放水路の治水対策・防災まちづくり検討部会、環境調査検討委員会での意見を踏まえて行うことに加え、地元関係住民らの意見も聞きながら最終的な形状を決める。放水路の線形は可能な限り直線とし、土砂堆積による河口部閉塞を回避、事業費が高価とならない位置や施工しやすい位置とすることを想定している。
さらに、良好な河川環境の保全・創出や地域づくりと、流域治水の取り組みを進めることも計画に追加した。
【流量配分図】