足利市は、大日西土地区画整理事業（約７ｈａ）の第４回計画を変更した。市中央を東西に流れる渡良瀬川左岸のＪＲ両毛線足利駅北西０・９㎞に位置し、古くから中心市街地の一角を形成。内部の道路幅員はほぼ４ｍ未満で接道状況が悪く、防災面での危険性が懸念されている。「住宅市街地総合整備事業」との合併施行により空洞化街区や公共施設を再編し、居住人口の回復と交流人口の増加を図る施策を総合的に展開する。２０２９年度の概成を目指し、総事業費７５億円を投じる。

　２５年度当初予算編成時に早川尚秀市長は「都市基盤では中橋の架け替えに併せ、東武足利市駅北口広場再整備と中橋北側の中央、大日西の両土地区画整理事業を加速させる」と説明。大日西には事業費３億６３６６万１０００円を措置した。

　２３年度の換地設計は栃木都市計画センター、路線測量を晃洋設計測量に委託。２４年度は建築物等調査をホカゾノ設計、画地確定測量、路線測量及び排水計画作成を個別に栃木都市計画センター、電線共同溝予備設計を晃洋設計測量に委託した。

　北側は主要地方道足利環状線、東側は一般県道飛駒足利線、南側は市道織姫参道相生通り、西側は市道家富町２２号線を境とする東西０・３㎞、南北０・４㎞。雪輪町、家富町、本城３丁目の一部が該当。足利学校と鑁阿寺に近接し、宅地は全体的に過密状態。

　外周沿道は住商混在で内部は住宅地。人口減少や廃業に伴う空き家や未利用地が増加。接道条件が悪い敷地が建築物更新を阻害し、老朽化に拍車が掛かっている。地区内人口は４３２人、計画人口は５６０人。１ｈａ当たりの人口は現状６２人を８０人への増加が目標。

　骨格を形成する都市計画道路は北端東西軸の３・５・１０１号毛野西新井線（延長１７４ｍ、幅員１５ｍ）、東端南北軸の３・５・１０２号家富町堀込線（３６４ｍ、２０ｍ）、南端東西軸の３・６・１０２号織姫井草線（１８ｍ、１１ｍ）の３路線。

　家富町堀込線には照明、安全施設、植栽帯を設ける。区画街路は幅員１２ｍ、１０ｍ、８ｍ、６ｍを総延長１６７３ｍ築造。特殊街路は延長６０ｍ、幅員４ｍ。通路は延長９３ｍ、幅員４ｍ。広場は１号２６０平方ｍ、２号３７０平方ｍ。広場は整地のみ。

　地区全域は商業地域に指定されており、その他は風致地区、準防火地域。減価補償金の全部で整理前の宅地を買収し、減歩率を１１・７３％に緩和する。保留地は生み出さない。住宅市街地総合整備事業の歳入は総額１４億円を見込んでいる。

　総工費は７０億３０００万円。建物移転５１億７０００万円、調査設計６億６０００万円、工事雑費２億円。道路は幹線３億５８００万円、区画２億７６００万円、特殊５００万円。整地３５００万円、上下水道・電柱・ガス移設３億１４００万円。

　施行後の地積は宅地４万８５１０・５７平方ｍ（６９・３５％）、市道１万６７５０・６７平方ｍ（２３・９５％）、国道４０５７・５７平方ｍ（５・８％）、広場６３０・０１平方ｍ（０・９％）の計６万９９４８・８２平方ｍとなる。