県は21日、茨城空港のあり方検討会の第4回会合を開き、空港将来ビジョン案の取りまとめを行った。2020年代後半までに取付誘導路の複線化やターミナルビルの処理能力の確保に着手する方針。駐車場の利便性向上についても、需要を見ながら有料化や一部予約など運用方法を検討。段階的に駐車スペースの確保を図る。
同案では、増加する空港需要に対応するため、必要な取り組みとしてターミナルビル拡張による受け入れ能力強化や取付誘導路の複線化と平行誘導路の確保、滑走路舗装厚の確保などを盛り込んだ。
そのうち取付誘導路の複線化については、喫緊に着手すべき取り組みとして20年代の着手を目指し、速やかに整備を進める考え。直ちに取付誘導路の増設による複線化に着手し、平行して5年以内を目標にエプロン拡張と平行誘導路の一部整備にも着手する。
また、ターミナルビルについては保安検査場、待合室、手荷受取場を増設・自動化し、受け入れ能力の向上を図る。旅客需要の増加に対応しながら段階的に拡張する方針。
駐車場についてはターミナル拡張や駐機場の確保などが駐車スペースに影響することから、需要に合わせて有料化や予約制の導入、立体化など運用方法を検討していく。
このほかビジョン案では、大型機の就航ニーズに合わせた滑走路舗装厚確保、駐機場や給油施設の拡張、脱炭素化の取り組みとしてターミナルビルや事務所施設の省エネ化、照明設備のLED化、太陽光発電の導入、空港車両のEV化なども盛り込んでいる。
現在の茨城空港は年間81万人の利用を見込み、1時間に国内・国外線それぞれ最大1便の受け入れを前提としている。23年10月の受け入れ緩和により、現在は1時間に2便以上を受け入れて、2便以上が同時に離発着した場合、保安検査場や待合室、チェックインカウンターの混雑などの課題が生じている。
同案に基づき円滑な航空機の受け入れや増加する需要に対応するために必要な取り組みを実施。将来的な茨城空港の旅客数目標として20年代に約110万人、30年代には約150万人、40年代は約170万人を目指し、今後、約15年間で利用者を倍増させる考え。