栃木市は、産業基盤成長戦略案をまとめた。2025~34年度の10年間で60haの産業用地創出を掲げ、地域特性に応じた開発コンセプトの事業区域を抽出。高速道の栃木、佐野藤岡、都賀、都賀西方スマートの各IC周辺を整備区域に選定した。新規の栃木IC北は26年度に着工し、30年度の完成を目指す。佐野藤岡ICは31年度の着工を計画している。IC周辺以外では旧市町単位で計24カ所の「企業立地誘導区域」を設定した。
10年後に60haの産業用地創出は市施行だけでは目標達成が困難。民間開発は重点促進区域設定による「地域未来投資促進法」の特例措置、市街化調整区域は「地区計画制度」の活用による企業立地を誘導。官民連携で社会課題の解決と経済成長を実現する。
IC周辺では栃木、佐野藤岡の両地区に「開発研究会」、都賀には「土地利用研究会」が設立されている。開発可能な区域は地権者会を立ち上げ、様々な活動を通じ地元の合意形成に努めている。開発熟度が整った区域から順に事業化している。
造成中の栃木IC西は25~26年度の第2期分譲で完売の見通し。平川は28年度まで造成を継続し、31年度から分譲を開始する予定。立地企業には団地の自主的な管理運営、従業員同士の親睦、地域住民との交流を目的とする組織の立ち上げを促す。
24年6月の市内企業アンケート調査では217社が回答。重視する立地条件は「交通アクセス」が71・4%で最多。「電力・特別高圧」「高速インターネット」「工業用水・地下水」が30%台。購入目安は「自然災害の少なさ」「用地価格」が上位だった。
市内は南北軸の東北自動車道に佐野藤岡IC、栃木IC、都賀西方スマートICがあり、東西軸の北関東自動車道には都賀ICが接続。南部は国道50号が東西に、北部は国道293号が通過する。交通の要衝であり、東京から60~80㎞圏内が強み。
栃木ICは主要地方道栃木粕尾線、佐野藤岡ICは国道50号、都賀ICは主要地方道宇都宮亀和田栃木線、都賀西方スマートICは国道293号の各沿線と既成市街地隣接地を開発。20ha以上の土地が確保でき、造成しやすい形状の場所で開発を優先する。
栃木、大平、藤岡、都賀、西方、岩舟の各地域に2~6カ所の「企業立地誘導区域」を設定した。幹線道路沿線、工業系用途地域、既存工場拡張の際に周辺環境との調和が可能、1企業で5ha以上の敷地があり50人以上の労働環境が整っている区域を選んだ。
企業立地誘導区域は次の通り。
▽栃木地域=①既存産業団地縁辺部②県道宇都宮栃木線沿線③県道栃木粕尾線沿線④3・3・3号小山栃木都賀線沿線⑤国道293号沿線⑥泉川町
▽大平地域=①既存産業団地縁辺部②富田友田山地区③国道50号沿線④3・3・3号小山栃木都賀線沿線
▽藤岡地域=①既存産業団地縁辺部②国道50号沿線③県道栃木藤岡線沿線④藤岡町都賀⑤藤岡
▽都賀地域①既存産業団地縁辺部②3・3・3号小山栃木都賀線沿線③升塚
▽西方地域=①県道宇都宮亀和田栃木線沿線②本郷
▽岩舟地域=①既存産業団地縁辺部②国道50号沿線③県道栃木藤岡線沿線④小野寺西根