豊丘村の2025年度一般会計当初予算は過去最大となる56億9000万円。勝負平クラインガルテン整備事業に3億2157万円、村道改良事業に2億1102万円、公園遊具等改修工事に8750万円を計上したほか、公共施設LED化も推進するとし、普通建設事業費は前年度比16.2%増の11億7949万円に膨らんだ。
勝負平地籍に整備するクラインガルテン(滞在型市民農園)は、道路を挟み近接する北エリア(河野2350番地周辺)と南エリア(河野2286番1周辺)の2つのエリアで構成。区画数は合計10区画で、各区画は簡易宿泊施設と自家用畑(100㎡)を備え、都市部住民が週末を中心に滞在し、農業を楽しむことができる施設とする。
北エリアには6区画を配置。簡易宿泊施設はW造平屋、延べ33㎡のタイプとする。一方、南エリアは4区画で、簡易宿泊施設はW造平屋、延べ約46㎡のタイプ。クラインガルテン利用者と地域住民の交流施設(100㎡)も整備する。
北エリアの造成工事は県事業によりほぼ完了しているが、南エリアは村の事業として5月ごろに発注する。施工面積は約4000㎡。その後、8~9月にも施設建築工事を発注し、25年度中の完成を目指す。工事の発注ロットは今後検討するが、地元企業の受注機会を確保する観点から、最大でもエリア単位にとどめる方針。
昨年11月には簡易宿泊施設の基本設計業務について、プロポーザルにより委託先をhut建築事務所(須坂市)と柏建築設計事務所(飯田市)のJVに決定。すでに業務を完了している。簡易宿泊施設と交流施設の実施設計業務、工事監理業務も同JVへ委託する。プロポーザルの際に示した建築物件の参考基準価格(提案上限額)は1棟1500万円。
予算額の内訳は簡易宿泊施設10棟の建設費2億127万円、交流棟の建設費3994万円、南エリア敷地造成費2200万円、駐車場舗装・園内道路・看板設置・支障木伐採費2055万円、用地購入費・補償費2731万円、備品・消耗品・貸出用農機具購入費1050万円。
■村道改良は工事費1.3億円
村道改良事業費2億1102万円のうち工事費は1億3630万円で、村単改良舗装事業分が1800万円、社会資本整備総合交付金事業分が4500万円、辺地対策事業分が7330万円。橋梁定期点検・補修設計委託に2700万円や用地測量委託に600万円も配分した。
公園改修は、りんごっ子公園で遊具改修や駐車場舗装改修、かきっ子公園でインクルーシブ遊戯設置、なしっ子公園で水遊び場日除け設置などを行う。
公共施設照明LED化の取り組みでは、村民体育館・弓道場に1762万円、学校給食共同調理場に868万円(その他工事を含む)、歴史民俗資料館に628万円を計上した。
学校施設関係では、中学校のエアコン設置(特別教室等)や職員駐車場舗装工事などに1666万円、南小学校のエアコン設置(相談室)や教室床塗り替え工事に1406万円、北小学校の窓ガラス飛散防止フィルム貼付や雲梯設置工事に284万円。
定住対策の取り組みでは、分譲住宅地の整備に向けた測量設計費903万円、公営住宅長寿命化計画の改定に140万円。また補助関係で住宅用地取得と住宅新増築に対し、それぞれ最大60万円(山間地は加算あり)を助成するとし3000万円を措置するとともに、49歳以下が行う住宅新増築に対する別枠の補助金1000万円も盛った。
このほか、道の駅「南信州とよおかマルシェ」の正面広場造成工事に1000万円、用水路改修工事に6400万円、河川水路改修工事に2200万円、役場庁舎の電話設備更新・トイレ洋式化等改修工事に1212万円。
一般会計の前年度比は9.6%(5億円)増。
一方、企業会計を見ると、水道事業の建設改良費に2億4467万円。このうち水道管更新工事に2億97万円、南部地区計装機器更新事業に2750万円を充てる。
下水道事業では処理場建設改良費に1億5091万円。豊丘浄化センター自家発電設備更新に1億3690万円、農業集落排水伴野第1中継ポンプ制御盤更新に231万円を配分する。