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栃木県森林整備課

県森林整備課、25年度治山56カ所19億円、熊の鷹沢上流、富沢など着手

2025/03/28 栃木建設新聞

 県森林整備課は、2025年度当初予算で56カ所の治山事業を計画している。事業費は約19億230万円。国庫補助事業は37カ所17億4090万円。主な箇所は復旧治山の小薙右沢中流(日光市)で法枠工、前沢(同)で谷止工、緊急予防治山の古関(鹿沼市)と山地災害重点地域総合対策の一の沢上流(那須塩原市)で土留工を発注。新規は予防治山の熊の鷹沢上流(宇都宮市)、富沢(塩谷町)などに着手する。県単事業は19カ所1億6140万円。護安沢(那須塩原市)、立足(矢板市)などを整備する。

 国庫補助と県単事業はいずれも宇都宮、佐野、鹿沼、日光、大田原、矢板、那須塩原、塩谷、那須の7市2町で計画。

 国庫補助新規の熊の鷹沢上流は、篠井地区で浸食が広がりつつある4つの沢に谷止工9基を計画。事業期間は25~27年度。全体事業費は約2億2600万円を見込んでいる。

 25年度は測量設計と1つの沢へのコンクリート谷止工3基の設置を予定。3基の計画規模は堤長20m、堤高4m、堤体積119立方m。堤長27m、堤高5m、堤体積197立方m。堤長33m、堤高5・5m、堤体積297立方mを想定している。

 富沢は船生地区で富沢川に流れ込む沢。25~26年度に谷止工3基の整備を計画。全体事業費は約5000万円。

 25年度は測量設計を実施。3基の規模は堤長23m、堤高2・5m、堤体積110立方m。堤長20m、堤高3m、堤体積110立方m。堤長16m、堤高4m、堤体積105立方mを見込んでいる。

 男体山の小薙右沢中流は谷止工や山腹工などを24~31年度に整備。25年度は法枠工約1500平方mを施工する。

 前沢は事業期間21~29年度。25年度は堤長45m、堤高6・5m、堤体積845立方mの谷止工1基の計画している。

 古関は24年8月豪雨で人家付近まで土砂が流出した沢。下流にコンクリート土留工3基、上流に鋼製カゴ枠工1基を整備し事業を完了させる。

 一の沢上流は林道木の俣巻川線の下流にカゴ枠工3基を施工する。規模は堤長21・5m、堤高3・5m。堤長21・5m、堤高4m。堤長23m、堤高3・5m。一の沢上流は那須塩原、大田原、那須、那珂川の4市町が対象の「那須・八溝地区」の一部。25年度の事業完了を予定している。

 このほか復旧治山の川化(鹿沼市)、予防治山の板荷畑(同)、出原沢(佐野市)、緊急防災減災対策総合治山の盲沢(日光市)など。

 川化は上流の床固工近くでブロック積み流路工約70mを施工。板荷畑は下流の流路工でブロック積み護岸工約70mを施工。川化、板荷畑は25年度に事業完了を予定する。

 24年度に事業に着手した出原沢は、本流と支流に1基ずつ鋼製の谷止工を整備する計画。事業期間は26年度まで。谷止工の計画規模は本流が堤長24・3m、堤高3m。支流が堤長17・2m、高さ3・5m。25年度は1基を整備する。

 盲沢は崩壊地が集中している地区に谷止工5基を計画。事業期間は23~28年度。下流から整備を進めており25年度は3基目を施工する。谷止工はコンクリートで堤長21・5m、堤高6m、堤体積226立方m。

 県単の護安沢はカゴ枠の谷止工を施工。計画規模は堤長11m、堤高3m、面積16平方m。

 立足は昨年8月豪雨で農地の見上げ斜面が崩壊。植生マットによる緑化工0・02haを施工する。

 このほか主な箇所は瀬尾沢川(日光市)でブロック積み流路工約110m、ヒツ沢(鹿沼市)でブロック積み流路工約30m。雪害で伐採・植栽した蓑沢(那須町)は森林整備で下刈り1・13haを計画している。

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