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都市軸道路利根川橋梁/新規事業化が決定/調査設計に着手

2025/04/02 日本工業経済新聞(茨城版)

 茨城県と千葉県を結ぶ都市軸道路の野田牛久線の(仮称)利根川橋梁が、国の補助事業として新規事業化された。千葉県との共同事業となる同事業には本年度予算で4000万円が配分。このうち本県分は3000万円で、本年度から橋梁の詳細設計や地質調査などが進められる。

 大井川和彦知事は新規事業化にあたり、「利根川を渡る道路の整備が進むことで茨城県と千葉県が一体となる経済圏が確立され、人口の増加や企業の立地が進む都市軸道路沿道地域のさらなる発展に大きく貢献するもの。一日も早い開通を目指してまいります」との談話を発表した。

 利根川橋梁は、千葉県柏市小青田と茨城県守谷市大柏を結び、県境部の利根川を渡河する延長約3・5㎞。このうち千葉県側取付部が約1・6㎞、渡河部約900m、茨城県側取付部は約1㎞。計画幅員は12m。道路規格は4種1級。設計速度は60㎞/h。全体4車線のうち、今回は、片側の暫定2車線整備を計画する。

 全体事業費は約498億円。事業期間には約18年間が想定される。

 今回の暫定2車線の計画では、既存橋梁の耐震補強は不要だが、将来的な交通量の増加により完成4車線とする際には補強が必要となる。

 埼玉県三郷市から千葉県を経由し、茨城県つくば市を結ぶ都市軸道路沿道地域では、TX沿線開発と合わせて大規模な住宅団地や工業団地の整備が進み、さらなる人口増加、企業立地、経済活動の発展が見込まれる。一方で、守谷市と柏市との間の利根川橋梁部は、慢性的に混雑が発生し、両県間の交流や連携、物流の妨げとなり、新たな橋梁の整備が求められていた。同事業により周辺地域の交通混雑緩和と安全性向上が図られ、交流人口の拡大、災害時、事故時のリダンダンシー確保などの効果が期待される。

利根川橋梁の事業概要

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