高森町は信州たかもり温泉リニューアル事業で、本年度に宿泊施設「湯ヶ洞」の改修を行う。2024年度3月補正予算に工事費7億2210万円を計上。入札方式は受注希望型競争入札、発注形態は設備包含の一括発注を予定している。順調ならば8月頭に公告し、同月20日ごろに入札を行う。
信州たかもり温泉は宿泊施設「湯ヶ洞」と日帰り温浴施設「御大の館」の2棟で構成。築後30年が経過し老朽化が進んでいることから大規模改修を行う。昨年度にまとめた基本設計による概算工事費は15億円。地方交付税算入率が高い交付金を活用するため、工事は棟ごとに分割し、先行する湯ヶ洞の工事費を24年度3月補正予算に計上した。
今後、基本設計を担当した倉橋建築計画事務所(松本市)へ両施設の改修に係る実施設計業務を委託。湯ヶ洞については8月までに仕上げる。工事入札後、9月議会での承認を経て着工し、25年度中に完了させる。3月補正予算には工事費のほか実施設計委託料6487万円と施工監理委託料916万円も計上した。
湯ヶ洞はRC造2階建て、延べ1664㎡。1992年に開業した。基本設計によるとフロント等の一元化により不要となる厨房・食堂と、広間を客室に改修。現状11の客室数を28に増やす。客室構成は1階に2人定員11室、4人定員1室、2階に人定員9室、4人定員7室。全室ベッド化する。またレストランは南アルプスの眺望を売りにし、地域色のある食を提供する。
一方、御大の館の改修工事は2026年度に計画。規模はS造2階建て、延べ1402㎡。1996年開業。基本設計によると1階フロントは木目調の内装で森への入口を演出。2階の浴場はダークトーンの内装と間接照明で高級感を持たせる。人気の高い電気風呂を追加で設置するほか、女性浴室の寝湯・ドライサウナを廃止し、岩盤浴・スチームサウナに変更する。
また、2棟間の行き来をスムーズにするため、既存渡り廊下の手前に展望スロープを新設。2棟の中央にはガーデンテラス、イベント広場、ガラス張りのレストランなどを設け、にぎわいを創出する。施設の南側には敷地の高低差を利用したW造2階建てのサウナ塔を整備。井戸水を使った水風呂や、広々とした外気良くスペースを設ける。
現在100台収容の駐車場は拡張を予定。基本設計時点では手法として①現状確保可能なスペースを効率的に区画し直し(28台分増)②敷地南側の斜面を造成(50台分増)③既存駐車場南側にS造の駐車場を建設(50台分増)―の3案を示している。
なお、リニューアル後の担い手となり得る事業者として公募型プロポーザルにより選定した中央アルプスリゾート(駒ヶ根市)が、リニューアル内容等の検討に参加している。