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【CCUS】厚労省認定の団体等検定/能力評価基準登録へ

2025/04/07 本社配信

 建設キャリアアップシステム(CCUS)の能力評価基準『土工』に、日本建設躯体工事業団体連合会が実施する検定への合格による資格が登録された。同連合会の検定は3月に厚生労働省の団体等検定に認定され、4月1日付けでCCUSに登録となった。国土交通省では、こうした建設関連団体による検定の厚労省認定およびCCUS登録が増えることを期待している。

 CCUS能力評価基準『土工』に登録された資格は、日本躯体コンクリート打込み・締固め工。同資格の2級は評価基準レベル2に、1級はレベル3に登録された。

 同資格の検定では、打込み・締固め試験、フレッシュコンクリート数量計算、判断等試験などが行われる。この検定は3月11日、厚労省の団体等検定に認定されていた。

 団体等検定は、厚労省が24年3月に創設した制度。技能振興において奨励すべきものを認定する。団体等検定に認定された民間検定は『厚生労働省認定』の表示やロゴマークを使用できるほか、検定合格のための講座も、合格率などの基準を満たす場合は教育訓練給付金の支給対象となる。

 要件を満たす社内検定を認定する『認定社内検定』は実施機関の雇用労働者のみが対象となっているが、団体等検定は実施機関の雇用労働者や会員企業の労働者以外も対象となる。

 団体等検定の厚労省認定基準は◇検定が営利目的でない◇学科試験・実技試験を実施◇合格者には適切な処遇実施―などがある。認定されるには試験基準策定や試験問題作成後にトライアル試験を実施し、厚労省に認定を申請。審査を経て決定となる。

 日本建設躯体工事業連合会の一連の流れを受け、国交省は今後もさまざまな建設関連団体による独自検定が厚労省の団体等検定に認定され、さらにCCUS能力評価基準に登録されることを期待。各団体による認定への動向を支援する考えでいる。


ちょこっと補足


 今回CCUS能力評価基準に登録された日本躯体コンクリート打込み・締固め工については、すでに資格を保有する者は申請すれば団体等検定に合格の扱いとなる。ただし、こうした措置は資格ごとに異なる。

 団体等検定からCCUS登録への流れは、持続的な賃上げの実現としての動き。技能検定は公的な検定のためハードルが高いが、今回のような民間による検定を介しての職業能力評価制度のシステムは、資格取得や社内昇進、賃金上昇に向けて新しい流れとなりそう。

 なお団体等検定制度は政府の政策『新しい資本主義』の中でも「あらゆる現場で活用していくべき」との考えで重要視されている。

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