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国土交通省

【円滑事業執行】歩切り禁止徹底を/直轄発注機関に通達発出

2025/04/08 本社配信

 国土交通省は4日、直轄および独立行政法人の発注機関に対して、適正かつ円滑な事業執行について留意事項を通達した。留意事項では国土強靱化の計画的推進やダンピング対策徹底、歩切り禁止などを掲げている。

 通達は①公共事業の施行方針②入札・契約業務の厳正な執行と建設産業の健全な発展③中小建設業者の受注機会確保④安全対策・環境施策の推進―を4つの柱として、それぞれに留意事項を記載している。

 事業執行における留意事項の主な内容は次の通り。

【公共事業の施行方針】

 国土強靱化の取り組みを計画的に進めること。ICT施工やプレキャストの積極的活用、新技術導入に取り組むこと。BIM/CIMを積極的に活用するとともに、遠隔臨場も積極的に取り組むなどインフラ分野のDXを推進すること。週休2日の推進や施工時期平準化を図り、公共工事従事者の長時間労働是正に取り組むこと。地域実情や工事特性を踏まえ、指名競争入札の活用に努めること。

【入札・契約業務の厳正な執行と建設産業の健全な発展】

 ダンピング対策を徹底し、最新の単価や積算基準を適用するなど適正価格による契約を推進すること。最新の積算基準・歩掛の適用を徹底すること。設計書金額の一部を控除する『歩切り』を行わないこと。見積りを参考にする場合は、見積価格やメーカー販売希望価格に対して発注者が独自の乗率を考慮して価格を設定する運用を行わないよう徹底すること。

【建設産業の健全な発展】

 中間前金払制度の活用による工事代金の早期支払、下請セーフティネット債務保証事業または地域建設業経営強化融資制度に関する債権譲渡承認事務の迅速化、工事検査の迅速化、建設業者の合併に対する支援措置の充実に努めること。

 規模が小さく技術的難度の低い工事は点数の引き下げを積極的に行い、一般競争参加資格の緩和を図ること。

【中小建設業者の受注機会確保】

 上位等級工事への参入拡大、コスト縮減要請や市場における競争が確保される範囲内で可能な限りの分離・分割発注の推進、経常建設共同企業体の適正な活用を図ること。

 下請業者に対する請負代金の金額設定およびその支払が適正に行われるよう、関係規定の順守を請負業者に徹底するとともに、請負業者に施工体制台帳を提出させること。

【安全対策・環境施策の推進】

 工事発注は環境負荷低減に資する資材の使用を積極的に推進すること。建設副産物発生の抑制、再利用の促進、適正処理の徹底を図ること。建設発生土は可能な限り発生抑制に努めるとともに、有効利用を図ること。アスファルト・コンクリート塊、コンクリート塊、建設発生木材、建設汚泥、建設発生土の再生資源は、建設資材として利用することに配慮した適切な計画・設計・積算を行うこと。

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