取手地方広域下水道組合の公共下水道事業経営戦略(2025~34年度)が明らかになった。改定内容としては、ウオーターPPPの検討やエネルギーおよび土地・施設等利用の取り組みを新たに盛り込んだ。投資・財政計画では今後10年間の建設改良費として、総額267億6663万9000円の支出を見込んでいる。実施目標についても現況を踏まえ、目標値の見直しを行った。
ウオーターPPPの導入については、24年度より検討を開始している。今後は事業開始に向け、詳細な業務範囲の設定や民間事業者への参入意向調査を実施し、事業スキームを決定していく予定。
また、エネルギーおよび土地・施設施設等利用によるコスト削減を目指す。未利用地を活用した下水汚泥の有効利用施設(肥料化など)の検討や、太陽光発電によるPPA事業の検討を実施。設備の改築に際しては、省エネ設備の導入を推し進めていく方針を示している。
その他、下水道未普及地域の解消や水洗化率の向上、総合地震計画に基づく耐震化、ストックマネジメント計画の推進、下水道 BCP(業務継続計画)の策定および包括的民間委託の導入について、引き続き実施していく。
投資・財政計画では今後10年間の建設改良費として、総額267億6663万9000円の支出を見込んでいる。現在課題となっている経費回収率の向上に向けては、24年度に下水道使用料を改定した。27年度に下水道使用料体系改定の必要性を検討し、必要に応じて28年度に下水道使用料条例の改定を行う。
同組合は取手市、つくばみらい市の2市による一部事務組合。事業計画区域面積2165・1haを有する。処理区域内人口密度は54・68人/ha。1985年度に供用開始した。排除方式は分流式で、管路延長(汚水)約570㎞、処理場施設(県南クリーンセンター)、汚水ポンプ場9カ所、調整池1カ所を備える。
実施目標は次の通り(◆項目=23年度時点の状況→34年度目標)。
◆経費回収率=83・8%→100%
◆整備済区域面積=1993ha→2060ha
◆下水道普及率=74・8%→79%
◆水洗化率=94・8%→95・3%
◆企業債残高=221億円→200億円
◆職員数=50人→41人