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群馬県渋川土木事務所

渋川土木所長山木健一氏インタビュー

2025/04/17 群馬建設新聞


北群馬渋川地域の勤務は初めてで、新任の土木事務所長でもあることから、相当の緊張感を抱いて着任したという。

就任にあたり、新たな県土整備プランが策定されたことを受けて「未来につながる魅力的なまちづくりを支援する主要地方道前橋伊香保線での吉岡バイパス整備などといった地域の中心的事業と、防災や交通安全などのさまざまな地域課題を解決する地域密着型事業を両輪として、地域の発展と暮らしの安全・安心確保にしっかり取り組んでいきたい」と管内市町村との連携を視野に抱負を語る。

本年度は、「県道南新井前橋線バイパス整備事業の4期工区が佳境に入っていることから、しっかり工事の進捗を図り、災害時にも機能する強靱な道路ネットワークを構築したい」と意気込む。

北群馬渋川地域については、生前の祖父母が渋川市赤城町に在住していたため、「小中学生ごろまでは頻繁に訪れていた」と話す。続けて「景色は幾分変わったと感じているが、幼い頃に聞いたカスリーン台風の深刻な被害の話は、強く印象に残っており、施設整備でリスクは一定程度軽減されたとはいえ、近年の異常気象を踏まえると、ハード・ソフト両面で必要な備えを怠ってはいけない」と気を引き締める。

河川課での勤務が長く、洪水ハザードマップの基となる浸水想定区域図の作成業務が印象に残っているという。「当時は、リスク情報を出すこと自体が批判の的であったが、時代が移ったことで、多くの人の受け止めも変わって、防災意識の醸成にわずかでも貢献できたのではないか」と振り返る。

当時を思い返し、「あまり家庭を顧みずに仕事に夢中になってしまっていた」と反省を口にし、若い職員には、「時にはハードワークも必要だが、ライフステージに応じた働き方が重要」と持論を伝え、応援する。

前職の監理課で職員管理を担っていたこともあり、事業・事務の適切な執行には職員の心身の健康は「もっとも大切なこと」との認識を持っているのだと話す。

建設業界に対しては、「『地域の守り手』として高い誇りを持って社会資本の整備や維持に尽力いただいていることに強い感謝の気持ちを持っている」という。能登半島地震の被災地に職員を派遣した立場であったこともあり、「被災地の実情に鑑みると『災害対応組織力の維持』がいかに重要であるか痛感している」と、さまざまな形で協力していきたいと力を込める。

プライベートでは、学生時代にやっていたラグビーの試合観戦や、40歳を過ぎてすっかりはまったウイスキーの蒸留所巡りなどを趣味としているのだとか。以前はゴルフもやっていたが、最近は縁遠くなり、「太りすぎて動きが鈍いことが悩みの種」と苦笑いで教えてくれた。

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