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群馬県富岡土木事務所

富岡土木事務所長 一倉史孝氏インタビュー

2025/04/18 群馬建設新聞


富岡土木事務所へは下仁田事業所を含み今回で4回目の赴任。新規採用で下仁田事業所に配属された当時、管内では国道254号バイパスの整備が最盛期を迎えているところだったが、現在、同バイパスは高崎市吉井町までつながり、沿道の開発も進み当時とは風景が一変したという。また、2014年6月には管内の富岡製糸場と荒船風穴が世界文化遺産に登録され、23年3月には上信越自動車道甘楽スマートICが開設されたことなどを受け、「交通だけでなく観光面においても飛躍的に地域のポテンシャルは高まっている」と地域の印象を話す。

加えて「地域の方々が安心して暮らすことができるよう、公共土木施設の維持管理や点検などの大切な業務を担っており、また災害発生時など緊急な対応が必要になった際には、地元建設業の方々の協力をいただきながら対処していかなければならず、こういった緊急時にどれだけ迅速かつ確実に組織として対応できるかがとても重要、日ごろの準備や意識付けを大事にしていきたい」と意気込みを語る。

さらに「特にこの管内では令和元年東日本台風で亡くなられた方がいることから、このときの災害を忘れることなく、新たな県土整備プランにも掲げている災害レジリエンス№1を目指すためにも、河川や砂防などの整備をはじめとした防災・減災対策に取り組んでいくことが必要」だと語った。また、西毛広域幹線道路は管内の一部区間で開通しているが、「道路ネットワークとして十分に機能を発揮するためには、全線の開通が不可欠であり、整備中区間の事業を鋭意進めていきたい」と話す。

これまでに携わった思い出深い事業には上信自動車道整備などをあげる。工事だけでなく、完成式典もコロナ禍での開催となり、2会場をリモートで行うなど、さまざまな苦労があったという。「どの工事も厳しい工程の中で、妥協することなく、よりいいものを造るという技術者のプライドをたくさん目の当たりにした」と振り返る。

地域の安全・安心を確保するためには「地元建設業の方々の力が絶対に不可欠。日ごろ安心して地域の方々が暮らせているのは間違いなく、地元建設業の皆さまに対応していただいているおかげ」とし、さらに「土木施設の補修、落石や倒木への対応や除雪作業など、頭が下がる思い。今後も土木事務所、地元建設業でそれぞれ役割分担しながら、地域の安全・安心のために協力していただきたい」と呼び掛ける。

趣味は音楽鑑賞やドライブ、休日は実家の庭木の手入れをしている。樹木がかなり大きく育っており、切りごたえがあるという。「筋トレと思ってほぼ毎週やっている」と苦笑い。

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