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国土交通省

【建設発生土】情報システムを一体化/ストックヤード活用も検討

2025/04/21 本社配信

 国土交通省は、建設発生土に関する情報システムを5月に一体化して運用を開始する。またストックヤードを活用した建設発生土の相互有効利用のマッチング強化について検討を進める。

 情報システム一体化は、現在の◇建設副産物情報交換システム◇建設発生土情報交換システム(官・官)◇建設発生土の官民有効利用マッチングシステム―の3つを『コブリスプラス』として統合する。

 コブリスプラスの特長は①1つの利用契約・1つのIDで利用可能②受発注者間のデータを共有、紙の提出を省略可能③各種法令に対応した帳票作成が簡単④官民マッチングのデータ登録や相手先工事の検索が簡単⑤電子マニフェストとコブリスのデータ連携でデータ入力を省力化―など。

 これまでは建設発生土の排出場所や量などを表計算ソフトに入力していたが、一体化により各種情報を地図上で確認することができる。同省ではシステム一体化で利用者が増え、特に官民マッチングに有効と考えている。

 ストックヤード活用は、これまでの会議で出た官民双方の意見を踏まえたもの。団体からは▽情報交換システムによる工事情報の調整に加え、専属担当者による現場レベルで土質、土工期の調整が必要▽工事間利用における土質改良プラント・ストックヤード活用の明確化が必要―など。自治体からは▽双方の搬出入時期の調整が難しいことから直接工事間での有効利用はほとんど行われていない▽ストックヤードや土質改良プラントを介することで問題を解決できる▽搬入や搬出時期の調整までを行うシステムであれば利用を検討―などの意見があった。

 現状では搬出側の建設発生土排出時期と搬入側における受入希望時期が合わないが、仲介役としてストックヤードを活用することで、有効利用が可能となる。この仲介役には土質や土量などを調整する担当者が必要となる見通し。

 建設発生土相互有効利用のマッチング強化策については、同省が設置した建設分野のリサイクルに関する有識者会議で検討。同会議では2025年度上半期内に中間とりまとめ案を策定する。

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