国土交通省は、建設廃棄物のリサイクル推進として、再生骨材コンクリートの利用用途拡大を検討する。用途拡大は、同省が設置した建設分野のリサイクルに関する有識者会議で示された。同会議では2025年度上半期内に中間とりまとめ案をまとめる。
再生骨材は、コンクリート構造物の解体にともなって発生するコンクリート塊を原料とし、破砕・磨砕などの処理を行って製造するコンクリート用骨材。モルタル付着度の多い順にL・M・Hの3種類がある。同省ではこのうち、価格が通常コンクリートと比べて同額以下のMについての利用を重視している。
再生骨材コンクリートは用途に制限があり、Mの場合は乾燥収縮による影響を受けにくい部位となる。現状における現場打ち再生骨材コンクリートMの主な用途としては、重力式擁壁、道路付属物基礎、根固めコンクリートなどがある。
また通常のコンクリート工場は全国に約2700あるが、再生骨材コンクリート製造工場は全国で20工場のみ。このため供給できるエリアが限られていることも課題となっている。
同省では将来的な技術進展も見据え、再生骨材コンクリートについて技術的検証を行ったうえで他の構造物など利用用途拡大を検討する考え。