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群馬県中之条土木事務所

中之条土木事務所長木内弘二氏インタビュー

2025/04/24 群馬建設新聞


中之条土木事務所への勤務は実に30年ぶり。「八ッ場ダムの完成や上信自動車道の建設など、当時から大きく様変わりしているが、吾妻地域で暮らす人々の生活を支え、未来の礎となる社会資本整備に職員一丸となって取り組んでいきたい」と抱負を語る。

吾妻地域については「観光資源が豊富で、1年を通して多くの観光客が訪れる地域である一方、山間部は急峻な地形であり、浅間山、草津白根山の二つの火山が存在するため、大雨や積雪に加え、常に自然災害への備えが不可欠な地域でもある」と話し、「土石流対策や落石対策による災害に強い地域づくり、災害時にも機能する強靭な道路ネットワークの構築が喫緊の課題となっている」と考察する。

事業展望については「上信自動車道へのアクセス道路となる県道植栗伊勢線や県道嬬恋大桑線芦生田工区の道路改築事業は、上信自動車道建設事務所と緊密に連携しながら推進する。また、観光地へのアクセス道路である国道146号や国道292号などの現道拡幅や登坂車線整備なども着実に進めていく」と述べた。

思い出深い事業は渋川土木事務所に勤務していた2011年度からの4年間で担当職員、係長として携わった上信自動車道建設事業をあげる。「担当区間においては、道路の詳細設計から用地調査、用地買収、そして工事着手まで一貫して関わることができた」と言い、「詳細設計や用地交渉の段階では、地元説明会を何度も開催し、関係機関である東京電力やJRとの調整を重ねる中で、課題解決力を大きく向上させることができたと感じている」と思い返す。

若手職員には「デジタルネイティブ世代の若手職員の皆さんには、その優れた情報収集能力やIT技術を積極的に業務に生かしてほしい」と期待を寄せる。それだけでなく「わからないことや困ったことがあれば、一人で抱え込まず、上司、先輩に遠慮なく相談してほしい」と気遣いも見せた。

建設業界へは「多岐にわたる場面でご尽力いただいており大変感謝している」と話し「地域の安全・安心を担うかけがえのない存在である建設産業の健全な発展に向け、働き方改革や魅力の発信などを通じて、担い手の確保・育成に協力していきたい」と語った。

趣味は、主に海での釣り。最初は海岸からイカやアジを釣っていたが、最近は、乗合船に乗ってのイカ釣りのほか、マダイ、タチウオ、ヒラメ釣りにも挑戦しているそう。自分で釣った魚を自分で捌くために、よく切れる包丁が欲しくなり刃物研ぎも始めた。「最初の頃は、すぐ切れなくなってしまったが、最近は切れ味が長持ちするようになり、休日の時間を利用して自宅の包丁やナイフを研ぎ、いつか釣り上げる大物を美味しくいただくために腕を磨いている」と教えてくれた。

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