県吾妻農業事務所農村整備課(吉井正二課長)は、2025年度の主要事業概要を明らかにした。24年度補正予算も含め、4事業9地区で7億4844万6000円の事業費を確保した。嬬恋村の嬬恋西部地区では1億4118万2000円を充て橋梁補修と路面補修工を行う。また、嬬恋村大横川地区では新規事業として農地集積促進型の水利施設等保全高度化事業で測量業務を行う計画となっている。
嬬恋村田代地内の嬬恋西部地区では、農村整備事業の通作条件整備として農道の補修を進めている。25年度は小在池1号橋の補修工事と合計延長約1kmの路面補修工事を計画している。小在池1号橋は橋長9・5m、幅員5・5mの単径間PC単純プレテン床版橋。改修は、耐震耐荷補強および橋面の打ち替えや防水工を実施する。設計は藤和航測(前橋市)が担当した。
同事業は、1972年から74年にかけて整備された農道の補修を進めているもの。事業の全体計画としては、農道総延長3500mと橋梁補修および側溝整備をするほか、付随して道路両側外側線の引き直しや交通安全施設の更新も行っている。農道周辺はキャベツ畑があり、予冷庫や集出荷場所が3カ所あることから大型トラックが頻繁に通行しているため、農道を保全し農業の生産性維持向上を図る。整備事業は2026年度に完了予定となっている。
このほかの主な事業は次の通り。
【仙之入地区】
嬬恋村今井地先で進めている水利施設等保全高度化事業(畑地帯総合整備中山間地域型)で、25年度は、24年度の補正予算も含めて1億2428万7000円を充て、調整池兼沈砂池1カ所と沈砂池1カ所の整備と、合計延長543mの排水路工を予定している。設計業務については黒岩測量設計事務所(前橋市)が担当した。
同地区では、拡幅をメインとした農道の改良工事と排水路の整備を中心に16年度から着手し進めている。25年度で事業完了を予定している。
【榛名西麓2期地区】
事業費として当初予算で1億1100万円を計上し、路面補修工として延長1・2kmを予定。設計は藤和航測がまとめた。
事業は、東吾妻町から高崎市倉渕町までを通る榛名西麓広域農道の路面補修を進めるもので、路面整備延長は5360mとなっている。計画的に保全対策を行うことにより、農道の長寿命化と維持管理コストの削減を図る。22年度から事業に着手しており、26年度の事業完了を目指している。
【大横川地区】
嬬恋村の大横川地区で、防除用水の管路整備と受水槽の増設を計画している。当初予算で2700万円を充て、測量業務を委託する。管路工は合計延長8330mで、受水槽は4基新設予定。このほかに付帯施設の整備として取水口の改修工事も計画している。26年度に設計を委託し、着工は27年度となる見通し。
同地区は、国営嬬恋農地開発事業嬬恋地区にて基盤整備を行った区域で、管路の老朽化による漏水に加えて、小口径管路および受水槽不足による慢性的な防除用水の不足が発生し、水管理労力と営農労力の負担が重く、担い手の農地集積を拒む要因となっていることから事業を計画した。