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群馬県下水環境課

根岸下水環境課長就任インタビュー

2025/05/03 群馬建設新聞


下水道事業に直近6年で携わり「長く携われば携わるほど、下水道の難しさを実感している」という。埼玉県八潮市の道路陥没事故を受けて「ライフラインとしての下水道の重要性と安定性をあらためて感じている」と話す。業務として「管渠の推進工事や地上からは見えない管渠内の調査点検、下水処理場における電気・機械設備の分解点検修繕、改築更新は経験と専門知識と柔軟な対応が必要となるためその難しさを年々感じている」と下水道事業の特異性を述べた。下水処理は活性汚泥微生物が主役であり「微生物は季節の変動や天候、水温、流量、機器のメンテナンスなどに影響するため、その活性をいかに維持していくかが重要であり、それが大変」と話す。

下水道事業の推進に向け「事務所と本課の協力体制をより強化して群馬県の流域下水道を守り、さらには市町村との連携をより密にして公共下水道整備を後押ししていきたい」と意気込む。

本年度、ソフト面では下水道の最上位計画となる利根川流域別下水道整備総合計画の見直しに着手し「水質環境基準を達成するために必要となる下水道整備を最も効果的に実施するため策定する」と力を込める。

ハード面については「佐波処理区で進めている伊勢崎幹線の整備を継続して促進するほか、災害時において停電となっても72時間連続運転が可能な自家発電設備の増強工事や下水道台帳システムの導入に向けたシステム構築を行う」と各種事業を明かした。また、「浄化槽本体と宅内配管の接続に伴う県費補助の充実を図り、合併処理浄化槽への転換を支援し汚水処理人口普及率の向上に努めていきたい」という。

思い出深い仕事に契約検査課に4年在籍し、検査員業務に従事していたことを挙げ「経験のない地域の工事現場で検査員として携われたことや建設業協会各支部の関係者と検査を通じて情報交換できた経験が今でも生かされている」と振り返る。

若手職員には「興味を持ったことを探求して、仕事も遊びもいろんなことに挑戦してほしい。声を掛け合い張り合いのある職場にしていこう」と呼び掛け、そのためにも「本当の意味での風通し良い、明るい職場づくりに取り組んでいきたい」という。

建設業界へは「道路陥没事故直後に行った緊急点検では専門業者の皆さんに大変お世話になった。また、日頃から下水道の安心安全につながる幹線パトロールや管渠内調査に尽力していただきありがたい」と感謝を述べた。

趣味はエレキギターとオオクワガタの飼育。ギターはつい先日友人に譲ってもらい、毎晩ユーチューブを見ながらオアシスやGLAYの曲を練習している。「将来はバンドを組んでデビューしたい」と冗談で笑顔を見せる。オオクワガタの飼育は産卵セットを組むところから行っており「体長7㎝の羽化を目指している」という。「手塩にかけて育てたクワガタは20匹を超える」と笑う。

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