日本建設業連合会(日建連、宮本洋一会長)は12日の関東地区を皮切りに、全国9地区で国土交通省地方整備局など公共発注機関との意見交換会を開催する。テーマは大きく分けて4項目。▽公共事業予算の確保と入札・契約制度の改善▽働き方改革の推進~時間外労働上限規制順守の課題と取り組み~▽生産性向上(新技術・新工法の活用促進)▽担い手の確保-の内容。
本年度は状況を考慮して、最初に予算関連を置いた。また時間外労働上限規制については実際には原則ルールが守られていないことやそれによるさまざまな影響を示している。生産性の向上では新技術の実施状況のバラツキなどを表している。担い手確保では監理技術者の運用緩和について言及していく。
意見交換会は日建連の主要な活動の一つ。発注機関との意見交換を通して公共工事における建設業界が直面するさまざまな課題を浮き彫りにし、民間工事にも波及させたい考え。
各項目別の詳細は次の通り。
【公共事業予算の確保と入札・契約制度の改善】
①公共事業予算確保と計画的な予算執行
▽予算確保と発注の平準化▽発注予定公表の改善▽発注条件の適正化▽公共工事における設計図書の適正化等
②入札・契約制度に関する改善
▽技術評価を重視した総合評価落札方式への改善▽入札手続きの改善▽ECI方式の活用拡大と制度改善
【働き方改革の推進~時間外労働上限規制順守の課題と取り組み~】
①時間外労働上限規制順守の課題と課題解決の方向性
②時間外労働上限規制適用に伴う新たな課題への対応
③土日現場閉所による完全週休二日の実現
④適正な工期設定と条件明示の徹底
▽適正な工期設定と条件明示▽余裕期間制度(フレックス方式)の活用拡大
⑤設計変更協議の円滑化
⑥書類の削減と様式の統一
【生産性向上(新技術・新工法の活用促進)】
①発注者間における情報共有の促進
②新技術・新工法の現場実装の推進
③プレキャスト工法の活用拡大
④ICT活用による施工管理の効率化
⑤協調領域に関する取り組みの推進
【担い手の確保】
①技能者の処遇改善
▽技能者の処遇改善▽建設キャリアアップシステムの普及拡大
②若手技術者の育成・定着
③建設業全体の魅力発信