県道路建設課は、架け替えを計画する那珂川大橋の架け替えで、新橋の上部工形式に県内では初となる3径間連続PCエクストラドーズド橋の採用を検討している。架け替えに向けて本年度から橋脚1基の整備に着手。順調なら年内に一般競争入札を執行し、年度内に議会での契約承認を諮る。工期には約25カ月間を見込んでおり、本年度予算では2026年度~27年度の債務負担行為で限度額8億円を設定した。
城里町御前山と常陸大宮市野口を結び那珂川を渡河する国道123号の那珂川大橋は、架設後約75年が経過。2018年の定期点検の結果、「構造物の機能に支障が生じる可能性があり、早期に措置を講ずべき状態」とされたほか、大型車のすれ違うには幅員が狭いことなどから架け替えが計画される。
橋梁の計画箇所では、出水期に加えて、鮎や鮭が遡上する11月~12月も工事ができないため、施工可能時期が1月~5月の5カ月間に限られる。また、近傍の道路線形にカーブが生じることで、上部工架設に送り出し工法が採用できず、仮橋が必要となる。橋梁形式の選定に当たり、橋梁本体の概算工事費だけでなく仮設費を含めて検討した結果、維持管理コスト、構造性、施工性、景観性などから、3径間連続PCエクストラドーズド橋が優位とされた。
橋梁の詳細設計は建設技術研究所(中央区)が担当。
エクストラドーズド橋は、斜張橋と桁橋の中間的な構造形式。斜張橋と比較して、一般的に低い塔と斜材で形成されたプロポーションを持ち、活荷重に対して主桁が抵抗する割合が高いため、斜材の応力変動が小さくなることが特徴(PC建協)。
なお、現橋の赤いトラス橋は、橋長283・4m、幅員5・5m(2車線)。1949年12月架設。上部構造は下路式ランガートラス橋、下部構造は重力式橋台、小判型橋脚(2基)。下流側に側道橋が設置されている。地元銘菓のパッケージにもデザインされるなど地域のシンボルとして親しまれている。